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【第1話】異世界生活スタート

死んだと思ったら突如異世界に・・?!

眩しいくらい真っ白な空間に円卓があり、そこで数人が話をしている。


謎の声達

「初期スキルはどんなものを与える?」

「この前の野宿の時、火起こしにものすごい時間をかけておったぞ」

「じゃあ炎系の最強スキルをあげる?」

「いや魔法系のスキルを与えたところで何の面白みもない」

「不便や手間を楽しんでいるようだった。だから何も与えないのはどうだ」

「それはすぐ死ぬでしょ」

「ではこいつ専用のオリジナルスキルを作ってやろう」

「どんな?」

「その名も不便益(unhandiness profit)」

「なにそれーよくわかんない」

「要するに、苦労すればするほど報われるってことだ」


「・・・」


 俺は夢でも見ているのか。ゆっくりと瞼が開くと、何やら周囲の様子がおかしい。

 見知らぬ草木が生い茂り、空には巨大な生物が飛び回り、遠くでは火山が噴火している。


「ん…俺死んだよね?」


 周囲の状況に圧倒され、理解するのに少し時間がかかったが、これは現実だ。


 状況を分析しながら、心の中で緊張と興奮が交錯する。


「これって…」


 俺は立ち上がり、周囲を見渡す。


「まさか異世界転生?いや転移か!?」


「・・・・」


「どこもかしこもキャンプし放題じゃん」


 俺は意気揚々と歩き始めた。自然の中を歩くのは心地よい。足元に広がる草原、色とりどりの花々、風に揺れる木々の音。どこを見ても新鮮で、まるで夢の中にいるような気分だった。


「異世界って意外とほのぼのしてるんだなー」


転生したらきっとまずは街を探すのが鉄板だ。それか劇的に可愛いヒロインとの遭遇。

だけどそんなことよりも何よりも、まずキャンプがしたい。

 

俺は歩きながら周囲を観察した。草原には見たことのない種類の花が咲いている。青や赤、紫といった色彩豊かな花々が一面に広がり、風に揺れている。木々もまた、見たことのない形をしていた。幹がねじれている木や、葉が光る木など、異世界の自然は俺の興味を引き立ててやまなかった。


「この辺りで野営しても良いんだけど、まずは水源を探さないと」


 そんなことを呟きながら1時間ほど歩いた頃、目の前に現れたのは美しい湖だった。水がキラキラと輝き、周囲の風景を映し出している。俺は湖のほとりに腰を下ろし、一息つくことにした。


 手で水をすくって顔を洗う。冷たい水が心地よく、自然の清涼感を感じながら目を開けると、ペイントが取れた自分の素顔が水面に映った。


「久々に自分の顔みた・・」


 傭兵の時はいつも泥を塗ったりペイントしていて自分の顔なんて見ることがないから、久々にみた自分は我ながら表情がゆるい気がする。元は性格も穏やかなはずなんだけど、ペイントをするといつもスイッチが入ったように強気になったんだよな。


「どっちが本当の俺なんだ?」

「こっちでも戦わなきゃ行けない時はあるだろうし・・とはいえこの世界ではのんびりキャンプを楽しみたい。常にゆるーくいたいんだよなー。」


でも二面性は必要か。よし完全に切り分けよう。

表の俺はいつも通りのゆるい俺。だけど心の中では傭兵時代の常に強い自分でいよう。


「異世界生活、楽しみだな」


 異世界での新しい生活、そして冒険が始まることに胸を躍らせながら、俺は湖のほとりでしばらくの間、自然の美しさを堪能した。何度も水面に映る自分を見つめ、これからの計画を立てる。


 「よし、この世界でキャンプを楽しみまくろう。あと異世界といったら…可愛いエルフの子と出会えたりして・・」


 ウキウキして浮かれた様子で独り言をつぶやきながら、俺は新たな冒険に思いを馳せた。


 ふと、湖の向こう側に目をやると、見たこともない大きな鳥が飛んできて、湖のほとりに降り立った。その鳥は鮮やかな青い羽を持ち、長いくちばしで水を飲んでいる。さらに、湖のそばには奇妙な形をした草食動物が水を飲んでいる姿も見えた。その動物は、鹿のような体型だが、頭には花のような角が生えている。


「あいつ…美味しいのかな」


 今夜のキャンプ飯をどいつにしようかと様々な生物を観察しながら、異世界の生態系に対する興味がますます湧いてきた。湖の水を飲んでいる動物たちは警戒心がなく、俺を気にせずに自然の中で過ごしているようだった。


「よし、今日はここを拠点にしよう」


 湖のほとりでゆっくりとした時間を過ごしながら、俺は周囲の美しい景色と異世界の生物たちに感嘆の声を漏らした。


「異世界で記念すべき初めての焚き火だ。」


「パチパチパチパチ」


 火を起こし新たに薪を焚べる。一息ついたその時、何やら向こうから騒がしい気配が近づいてきた。


 走って近づいてきたのは白肌で若い女の子だった。


「ねえ君!!こんなところで何してるのーー!!」彼女は走りながら叫んでいる。


おお、これって早速ヒロイン登場の流れなんじゃないか?でも緊張するな。なんてウキウキしながら質問に対する返答をした。


「見ての通りキャンプだけど・・」


「キャンプ?そんなことより逃げて〜!!!!!!」


 彼女はそのまま俺の前を通り過ぎていった。


ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、


 ヒロイン登場かと思ったのも束の間、女の子が来た方向から巨大な生物の足音がする・・・

異世界で初めての波乱の予感・・

果たして、焚き火を楽しむトーリのもとに現れたのは・・?

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