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【第12話】国王ドヴェルグ

王室に招待されたトーリたち。

王の思惑はなんなのか・・?


「国王がお呼びだ!一緒に来てくれ!」


俺たちはすぐに顔を見合わせた。


リーナ「私たちを?」戸惑った表情を浮かべる。


フェンリル「国王って偉い人でしょ〜?行ってみようよ」


「国王がなんの用だろう」


兵士「詳細は聞いていないが相談があるとのことだ」


「相談・・行ってみようか」


俺たちは兵士に案内され、早速城へと向かった。

城の中は石造りの頑丈そうな造りで、古風だが重厚感が漂っている。異世界と言えばで想像していた近未来な都市より俺にはこっちの方がしっくりくるな。


王室に入ると目の前にはベルドワ国王が座っていた。

壮年の白髪で筋骨隆々、だがその笑顔はまるで古い付き合いの友人に会ったかのような、温かみが感じられる。


ドヴェルグ王「おお、待っていたぞ!旅の者たちよ。私は国王のドヴェルグだ。よく来てくれた。」

「君たちことは、すでに聞いておる。入国の際は気を悪くさせてすまなかった。今この国は他種族に対して敏感になっているんだ、悪く思わないでくれ。」


「俺らは気にしてないからいいけど、ゴブリン達に謝ってあげてほしいな。俺はトーリ・イグナイト。よろしくね。」


「私はリーナよ!」


「僕はフェンリル。おじさんよろしくね〜!」


兵士「国王になんて口の聞き方を・・!」


「この国の民でもないし関係ないでしょ?」


ドヴェルグ王「ハッハッハ。その通りだ。口の利き方なんて何でも良い。」

「それより入国時に魔法石や、マグボアの身体の一部などを持ち込んだそうだが・・あれらはどこで?」


「あれは昨日行ったダンジョンで手に入れたんだよ。マグボアはそのダンジョンのボスだった」


ドヴェルグ王「マグボアが出るダンジョン・・?自力で倒したのか?」


「うん。その後焚き火で焼いて食べたんだけど、めちゃくちゃ美味かったよ」


リーナ「皮は丈夫だし、蹄も何かに使えそうだったから持ってきたの」


ドヴェルグ王「普通なら戦いを避けるべき相手だ。それを・・ふふ、まさか食ってしまうとはな!」


ドヴェルグ王の目が少し呆気に取られていた気がしたが、すぐに豪快に笑い声を上げた。見た目の割に実に親しみやすい。厳格そうに見えて、こうしてみると普通のおっちゃんだな。


ドヴェルグ王は玉座から立ち上がって言った。

「実は、君たちにお願いがあるんだ」


「そういえば話があるって兵士が言ってたね」


ドヴェルグ王「ベルドワの最も優れた鍛冶職人、スミスのことは知っているか?我が国の偉大なる戦士でありながら、世界1の鍛治職人だ。」


「酒場で聞いた人だね。確か・・スミス・アイアンマン!」


リーナ「アイアンハンドでしょ。」「それで、その人をドラグノス帝国から連れ戻してほしいっていうのが私たちへのお願い?」


ドヴェルグ王「・・察しの通りだ。ドラグノス帝国は彼の作った武器や防具を独占しようとしている。スミスは誰よりも強く、自由で勇敢な男だ。決して他国に縛られていていいような男ではない。」


「じゃあなんでその国に行ったの?」


ドヴェルグ王「国同士の戦争になったとき、こちらの分が悪いからな。陰で何かしらの圧力を受けてこの国の為に人知れず行ったのだ。」「だが国王として、友人として、彼を見捨てるわけにはいかない。」


「その何とか帝国の奴らをぶっ飛ばして、連れ戻してこいって依頼?」


リーナ「バカ言わないで。龍人族は戦闘民族よ!それに何万人いるかわかってんの?!」


ドヴェルグ王「ああ、そこまで無茶な願いはできんよ。旅人として入国してスミスと接触し、説得して連れ帰ってきてほしい。我らドワーフが潜り込めば目を付けられてしまうだろう。」


リーナ「そんな簡単に言うけど、自分の意思で行ったのなら説得に応じるかしら。それに説得できたとしても、結局スミスがこっちに帰ってくればドラグノスの奴らは怒るんじゃない?」


ドヴェルグ王「スミスを取り戻せさえすれば、その後は・・・まあ何とかなるじゃろ!ハッハッハ!」


リーナ「ノープランじゃない!」


「王様面白いねー!話はわかったけど、なんで俺たちなの?まだ入国して半日。信頼できないかもしれないよ。」


ドヴェルグ「私は人を見る目だけは自信があるのだ。」


リーナ「それで、そんな危険な任務・・まさかタダでって訳じゃないでしょう?」


ドヴェルグ「ああ。スミスを連れ戻してくれたら、何でも願いを聞こう。」


「じゃあ俺からはお願い事を2つ聞いて欲しい!」


兵士「2つなんて強情な・・!」


ドヴェルグ「良い!どんな願いだ?」


「1つはスミスにオーダーして、俺専用のあるものを作ってもらいたい。」


ドヴェルグ「スミスが作れるものなら、私からも彼に頼むと約束しよう。もう1つは?」


「この国の森で自由にキャンプをさせてくれ!!」


ドヴェルグ「??」


リーナ「はあ・・・もっとマシなお願いしなさいよ。こいつの言うキャンプっていうのは森や山などで野宿することよ。」


ドヴェルグ「要するに・・この国の私有地で野宿する権利をくれということか?」


「そう!!」


ドヴェルグ「そんなことで良いのか?危険だからこそ森への立ち入りは禁止しているが・・好きなだけ自由に使ってくれて構わない。」


「やったー!!約束だよ」


フェンリル「ドラグノスなら道中にドラゴン食べれるかな〜」


リーナ「食べることしか考えてないのね」


ドヴェルグ「そうと決まれば今夜はもてなそう。仲間のゴブリンたちも招いて宴にしよう。」


全員「やったー!!」


国王から重要なミッションを授かったトーリたち

楽しく宴をして、装備を整えたらいざ出発!!

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