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9…竜殺者
「では、これから君はどうするんだ?」
外套の男は少年に聞いた。少年は答えられない様に見えた。だが、少年は考えた末に言った。
「少なくとも、のたれ死にたくはない」
少年はまっすぐな目をしていた。その目を直視した外套の男は満足そうに頷いた。そして、
「じゃあ君、これからどうしたい? できる限りの支援はさせて貰うよ」
「僕は何故か、この瓦礫の山に想い入れがある気がするんです。ただの勘違いかもしれないけれど」
少年はよく通る声で言った。
「だから、この瓦礫の山に関連があることをしたい。確か貴方は竜殺者でしたっけ。もしそうなら、僕を弟子にしてください」
「………話が読めない。何故この瓦礫に関連のある仕事で竜殺者なんだ」
「だってこの瓦礫は破壊されたものの様に見えます。自分が文献を読んできた中でこんな事が出来るのは竜だけです」
「なるほど、ね」
外套の男は少し沈黙してから不敵に笑った。
「じゃあ君は今日から私の弟子だ」
「分かりました!」
少年は力強く頷いたのだった。