18…脆いダハミリ城
ダハミリ城の城壁。
近くで見ると圧巻の迫力があるが、遠目に見てみると、ただの古びた城壁である。
(大したことないな)
オストがそのように割り切っていると、グレンジャーはそんなオストの気持ちを読んだのか、
「あまり侮らない方が宜しいかと。伊達に大昔、帝都最後の壁を務めていたのですから」
と言った。グレンジャーに同感するようにアルベルトがゆっくり頷いた。理解が及ばないオストはずっと頭にハテナマークが上がっていたが、アルベルトが親切な説明をしてくれたため、ハテナマークは綺麗さっぱり吹き飛んだ。
「ん? でも、それだったらこのダハミリ城に僕たちは侵入することすらも不可能なのでは?」
理解したオストが焦ったような声で言った。アルベルトはオストを一瞬見てからニヤリとした。
「安心したまえオスト君、すでに手は回してある。コチラのグレンジャーがな」
「どのような手を回しているんですか?」
「グレンジャーよ」
アルベルトに催促されたグレンジャーは落ちていた木の棒を拾い、地面に、上から見た城壁と城の内部を描き始めた。
「この城には、一見すると弱点らしき弱点が有りませんが、実は明確な弱点が一つ、存在します」
「……そ、それは一体!?」
「壁の厚みです」
「!? 壁の厚み?」
オストは答えを聞いた瞬間、半ば呆れた。壁の厚みがなんになるのだ、と。実際はそうなのだ。多少の壁の厚みは戦闘面において特に問題ない。そう、多少の壁の厚みは。
ご存知の通り、このダハミリ城はすでに衰退している。そのため、どういう訳か城壁の一部を盗む輩がいる。別に修理も何もしていない。だからこそ、ダハミリ城の城壁は高さこそあるが、中身はしょぼいのだ。
まさに羊頭狗肉である。
「【豪華絢爛】」
アルベルトが紋章を使用すると、その体の周りを花が舞った。その花を鉄の管にし、城壁にぶつけ、それに合わせ、オストが【中原逐鹿】で剣技を行った。
すると、最も簡単に城壁に穴が空いた。
(大昔とはいっても、帝都を護る最後の砦、とは………)
ダハミリ城の城壁に風穴を開けることは嬉しいオストだが、同時に複雑な気持ちになったのだった。
「とにかく、これでダハミリ城の中に侵入できるようになりました」
グレンジャーが高らかした声で言った。嬉しそうな声だ。グレンジャーは城の中に一瞬足を踏み入れ、そのまま進むかと思われたが一旦止まった。だが、再び歩き出し、アルベルトとオストはこれの後に続いたのだった。
………ようやく更新出来ました。まずは、遅れてしまって申し訳ありませんでした!
と、挨拶?はさておき、ブクマ登録お願いします。一件でも登録数が増えるだけで作者は号泣致しますので。




