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10…初仕事

「オスト君、君の初仕事だ」


 大きな屋敷の庭の外にある素朴な木の椅子に座っている外套の男、ラテーノが満足そうな笑みを浮かべて言った。声をかけられたオストという少年、いや、青年は木刀の素振りを中断してラテーノの方を向いた。


「初仕事?」


 オストは何の事だかわからない様子で発した。ラテーノはニカニカ笑いながら椅子から離れ、オストの方へと歩き出した。そして、オストの肩をバンバン叩きながらこう言った。


「とぼけるなって。竜殺者としての初仕事だぞ。今までは私の勇姿を指を咥えて眺めているだけだったが、今回からは違うんだ。君が竜との対峙役、主役だぞ」


 オストは苦々しい表情で言った。


「と、取り敢えずその肩バンバンやめて下さい。めっちゃ痛いし音出てるんで」

「………わかったよ」


 ラテーノはガッカリした様子だが、渋々引き下がってくれたようだ。


「で、初仕事というのは……」


 オストは気を取り直してしっかりした声で聴いた。ラテーノは「そう」という形で始めた。


「最近入った報告だ!竜が一匹、この屋敷から南西の方角に現れた。未だ村やそこらの被害は出ていないが、竜は凄まじい勢いで村がある方向へ向かっている。君の仕事はその竜が村に到着する前に、竜を殺す事だ」


 オストはごくりと生唾を飲み込む。


「どうした? 緊張しているのか」


 ラテーノは薄々わかっているだろうが尋ねた。するとオストは笑った。


「緊張? そんなわけ無いでしょ。寧ろ嬉しいくらいです。何故ならラテーノさんのを眺めるわけじゃないんだからね!」

「…じゃあ」

「はい、行ってきます」

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