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この惑星の願い  ~ 人間の正しい扱いかた ~      一番の演技上手はだあれ?

この惑星の願い  ~ 人間の正しい扱いかた ~



     一番の演技上手はだあれ?



源次は山城城でコミュニケーションを取った、同年代でもある、WNA理事長の山城月雄に願い出て、江富学園内をくまなく説明してもらっている。


アニマール校喜笑星分校とは一味違って、科学技術に関してはかなり利用されている。


源次の目で見て、フリージア分校と同等と感じる。


さらには音楽に関しても学部を増やすこともあり、学校が始まった今では、汰華琉と美貴、そして細田が大忙しとなっていた。


「演劇学部も設立するように言って!」と現在校舎の新築工事中の細田に、妻の岩戸理恵が詰め寄っている。


「それは部活動でいいじゃないか…」と細田が眉を下げて言うと、「…演劇、なめとんのか…」と理恵は大いに機嫌が悪くなっていた。


「前向きに考えるから!」と話が聞こえていた山城が声をかけると、理恵はまさか名誉理事長がいるとは思っていなかったようで、大いに戸惑ったがすぐさま頭を下げた。


「…音楽学部の一部でもいいかなぁー…」と細田が眉を下げて恐る恐る言うと、理恵は一応は満足だったようで、数回うなづいた。


「演劇と音楽と歌唱は切っても切れないものだから」


「…歌唱も…」と細田は大いに眉を下げてから、素早く汰華琉にメールを打った。



「おー… 通信端末が震えているぅー…」と汰華琉が感動して言った。


「あら、珍しい、細田さんから?」と美貴が目ざとく見て言うと、「念話では伝えにくかった?」と汰華琉は言って、通信機を開いた。


現在は三時限目と四時限目の狭間の休憩時間で、ふたりはカフェにいる。


大学の休憩時間は受講する科目によって様々なので、今は長めの小休止だ。


「…音楽学部内に、演劇と歌唱…」と汰華琉は呟いた。


「あら? 理恵さんの進言かしら?」と美貴が悟って言った。


「ま、念話が使いにくかったことは理解した」と汰華琉は苦笑いを浮かべて携帯端末を閉じた。


「メディアが一気に華やかになりそうでいいな」と汰華琉は笑みを浮かべて言った。


「もう、その予備軍は幼稚園にいるし」と美貴はたまたちを示唆して言った。


「学生たちの人気投票があったそうだぞ」と汰華琉が眉を下げて言うと、「…酷なことをするわね、園児相手に…」と美貴は大いに嘆いた。


「それに項目が細かくてな…

 歌に関しての評価もあるんだけど、

 ほぼ合唱なのに、どうやって判断したんだろ…」


「…それはいえるわね…」と美貴は眉を下げてうなづいた。


「まあ、能力者が関与してないとして、歌い方とか、かなぁー…」


美貴は汰華琉の呟きに賛同して数回うなづいた。


「…能力者がいたとして、合唱を分解した…」


美貴の確信をついた言葉に、「調べよう」と汰華琉は言って、情報端末から入り込んで、評価対称の映像を見つけた。


「…能力者、いたぁー…」と美貴は機嫌よく言った。


「製作統括、江富学園高等部科学技術研究部。

 優秀だな…

 まあ、音声の情報から判断して、

 部活名の科学技術は使っていないけどな」


「…うふふ… まさか待ってる?」


「ああ、そうだろうな。

 今日は午後の受講はないから、探偵ごっこでもするかい?」


汰華琉の言葉に、美貴はすぐさま賛同した。



学校での昼食時に、「科学技術研究部って知ってるかい?」と汰華琉が雅に聞くと、雅は首をひねりながら静磨を見た。


「…いえ… 記憶にありませんが…」と静磨が答えたので、汰華琉が江富学園の学校のデータベースを調べてないことが判明した。


「…ふっふっふ… さらに難解になってきたぞ…」と汰華琉は言って、すべての情報を家族たちに話した。


そして汰華琉が真っ先に聞いたのは、「誉、どうだ?」と汰華琉が聞くと、「…クラスメイト?」と誉は言ってキララを見た。


「不思議な子は、新発田泰江さん」


キララが即答すると、「あー… トレードマークはヘッドホン…」と誉は思い出したように言った。


「ふーん…

 ま、かなり珍しい生徒だね。

 ヘッドホンなんて、このケイン星で売ってたんだ」


まさに汰華琉の言葉は当然の常識で、音楽などをそれほど聞くことはない。


もし聞くとすれば、テレビ映像から音声だけを抽出したものか、無映像のラジオ音声だけだ。


「ヘッドホンは、輸入品。

 たぶん、フリージア星の製品だと思う」


「…はあぁー… もう、犯人がわかったと思う…」と汰華琉は言ってうなだれた。


「…そう… 新発田、泰江さん、ねえぇー…」と美貴は言って、情報端末を出して電話をした。


「ゲロしろ!」と美貴がいきなり叫ぶと、汰華琉だけが大いに笑った。


「ふん! 魔王をなめんな!」と魔王ではない美貴は叫んで、しばらく話を聞いてから通信機を切った。


「察した通り、家族にいたわ」と美貴は笑みを浮かべて言った。


「代わりの執事は?」と汰華琉が眉を下げて言うと、「…すぐの選定は無理ね…」とここはさすがの美貴は嘆くように言った。


「だけど、執事の新発田栄さんだと、

 十五才の泰江さんの親なの? 兄?」


「兄ひとり妹ひとり」と美貴が汰華琉を見て言うと、「…そうか… それは話が十分にできるな…」と汰華琉は言って、笑みを浮かべて雅を見た。


「山城城の執事であれば、

 神様のお弟子さんたちでいいのでは?」


静磨の進言に、「そう! それも修行!」と美貴は陽気に叫んで、マリアに念話をした。


マリアからは快い返事をもらったようで、美貴は上機嫌になったが、別口で執事を手配するようにWNAにも通達した。


「…ところで、この寸劇は何?」と汰華琉が眉を下げて言うと、「まさかだけど、試された、のかなぁー… 新発田さんはそんな人じゃないんだけど…」と美貴は大いに眉を下げて言った。


「だったら、妹の方の好奇心」と汰華琉がほぼ確信して言うと、「…そうね、そっちがあったわ…」と美貴はため息混じりに言った。


「…その気質はあるかもぉー…」と誉が眉を下げながら言った。


「静磨、鬼で説教!」と汰華琉が陽気に叫ぶと、「…トラウマになられるのも困ります…」と静磨は大いに眉を下げて言った。


「じゃ! その代わりに妻のマミー!!」と汰華琉がさらに大声で叫ぶと、「…ここに来させるわけね…」と美貴が察して眉を下げて呟いた。


「ふふ… ほら来た」と汰華琉が普通の声で言うと、誉がすっ飛んで行って、泰江に寄り添った。


「友人想いで何より」と汰華琉は機嫌よく言った。


「素早いぃー…」と、誉の隣にいたキララは大いに嘆いた。


「そして、泰江ちゃんは問題発言をするだろう」


汰華琉の言葉に、「探偵どころか、ついに預言者にもなったわ…」と美貴は眉を下げて言った。


「そんなもの簡単だよ」と汰華琉はなんでもないことのように言った。


「…兄の気持ち妹知らず…」と美貴が嘆くと、「あたしはすっごく兄想いだもぉーん」と雅は自信満々に言った。


「もしもよ、その兄が虐げられていると感じていたら?」


美貴の言葉に、「そんなもの」と雅は言ってから眉を下げて、「…そういうことね…」と雅は眉を下げて呟いた。


そして泰江が燃えるような眼をして汰華琉を見た瞬間、「その事実はない!」と汰華琉は真っ先に叫んだ。


泰江は大いに驚き、口は動いているが言葉は出なかった。


「今の職業は全部、お兄さんの望んでいることなの」と誉がやさしく言うと、「…兄やんの、虚勢じゃなかったんだ…」と泰江は呟いてからうなだれたが、「兄やん!」と汰華琉は叫んで腹を抱えて笑った。


「雅、面白いから今日からそう呼べ」と汰華琉が言うと、「いやよぉー…」と雅はすぐに拒否した。



「栄さんから聞いていた通り、

 できれば俺たちにさらに近い立場に立たせようとしていたが、

 栄さんが拒否し続けていた。

 心の底から執事の今の職を気に入っているんだよ」


汰華琉の優しい言葉に、「ごめんなさい!」と泰江は叫んで、直角に腰を折って頭を下げた。


「だが、家族からのクレームを聞かない俺たちではない。

 早々に、神の弟子になってもらうが、

 その時、泰江ちゃんはお兄さんに叱られそうだけど?

 いや、大好きな職を奪われて、泰江ちゃんを恨むかも…」


汰華琉の言葉に、泰江は大いに腰が引けていて、発する言葉を失った。


「ちなみに、

 幼稚園児合唱団で誰が一番好き?」


汰華琉がいきなり感情を一新して一応本筋の違う話に切り替えると、「…やっぱり、リーダーのたまちゃんですぅー…」と泰江は笑みを浮かべえて答えた。


「歌が一番うまいのは?」


「僅差で、ヤスコちゃんですぅー…

 でも、歌い方は、やっぱり、たまちゃんが一番かなぁー…

 本当に楽しそう…

 あ、みんなも楽しそうなんだけど、その中でも一番に…」


ここにたまたちもいるので、泰江は大いに気を使ったようだ。


「ま、リーダーが優秀だと聞けば、誰も何も言わないさ」


汰華琉の気さくな言葉に、泰江は見るからにほっと胸をなでおろした。



「じゃ、肝心の能力についてだ」


汰華琉の本題の言葉に、誰もが一斉に泰江を見た。


「…あ… うまく説明できないんですけど…

 基本的な音の高低は兄で、私は振動…」


泰江の言葉に、汰華琉は何度もうなづいて、「そうじゃないと、見せてもらった映像と音声にはならないからね」と汰華琉は笑みを浮かべて言った。


「それに、目もいいはずだ」と汰華琉が言うと、誉が三歩引いて、大いに眉を下げて大いに心配を始めた。


「誉、質の違う目のよさだ。

 泰江さんは音を映像化できるはずだ」


汰華琉の言葉に、泰江は何も言わずに何度もうなづいた。


「ひょっとしてこの音声って、アナログなの?」と美貴が嘆くように言うと、「だからこそ、合唱なのにひとりの声しか聞こえず、音声が異常にクリアなんだよ」と汰華琉は言った。


「…機械で編集していないからこそ…」と美貴はようやくすべてに納得できていた。


「この泰江ちゃんの能力は、

 ある高能力者の攻撃ともいえる日常の行動を無効化できるんだ」


汰華琉の言葉に、誰もが目を見開いた。


「だからこそ、泰江ちゃんの能力を餌にして、

 栄さんを俺たちの仲間にする!」


汰華琉の堂々とした言葉に、「よろしくお願いします!」と泰江は心からの喜びを礼に込めて叫んだ。


「…うう… 気になるぅー…」と美貴が叫ぶと、「その声を俺たちはまだ聞いていない」という汰華琉の言葉に、「…あ、そういうこと…」と美貴はすぐさま理解して笑みを浮かべた。


「これも、俺たちの修行だ。

 できれば、トラウマにならなきゃいいが…

 もちろん、俺も含めて…」


汰華琉の引け腰の言葉に、誰もが大いに眉を下げていた。


























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