独立します!でも甘くない
「エウレア、独立が決まったぞ」
ある日、お父様が王家からの書類を持ってきてそう言った。
「私の要求が通ったんですね」
「あぁ、国王がまだうじうじ言っていたが王妃様が主導で動いてくれた」
私はお父様に渡された書類に目を通した。
そこには『エウレア・フィートエアに女男爵籍と領地を授ける』と書かれていた。
「私、男爵になるんですね」
「あぁ、フィートエア家の分家としてこれから頑張ってもらう、勿論功績をあげれば階級も上がる」
「領地はこことは違うんですね」
「色々考えたが1から頑張るとしたら何もない場所から始めた方が良いだろう。当初の資金は王家から慰謝料を頂いている」
流石はお父様だ、実の娘に対しても決して甘やかさずあえて厳しい態度を取る。
「お父様の、そして王家のご期待に添えるよう精進いたします」
「うむ、期待してるぞ」
そして、私は別荘から領地に向かったのだけど……。
「本当に何も無いわね……」
私の領地は雑草が生い茂った人もいない荒れ果てた場所だった。
正確に言えばかつては人が住んでいた跡はあった。
「ここって廃村になった場所じゃないかしら……」
とりあえず荷物を一番まともな形を残している家に置いた。
「まずは雑草をなんとかしないといけないわね」
私の第2の人生は雑草刈りから始まった。