将来について
「お嬢様、王妃様からお手紙が届いています」
「王妃様から?」
内心ついに来たか、と思った。
こっちに来てから私はできる限り王家や他の貴族とのやり取りは両親に任せている。
つまり、王族や貴族は私の居場所を知らない、という事だ。
まぁ、王族は影がいるからその気になれば居場所なんてすぐわかるだろう。
ただ王妃様には色々お世話になっていたので手紙を出しておいた。
その手紙には『もう表舞台には出ない』という事をしっかりと書いておいた。
その返事が来たのだ。
早速封を切り手紙を読んだ。
内容的にはまず婚約破棄に関する謝罪から始まり王太子様にはそれ相応の処分を下した、私の意志を尊重して王家は手を出さない事を約束する、と書いてあった。
ただ勿論それだけではなく引き籠もっているだけではなく国に貢献してほしい旨も書いてあった。
「まぁ、そりゃそうなるわよね……」
私は苦笑いをしながら読んでいた。
勿論、私だって王妃教育を無駄にしたくないので両親と相談している。
将来的には独立して女貴族として領地をいただき経営していくつもりだ。
「王妃様はお嬢様の事が心配なんですね」
「あの方には本当にお世話になったから落ち着いたらお礼をしなきゃいけないわね」
王家の中では一番信頼できる方だ、いずれは顔を出さないといけない。