この国の王家は女性主導です
「それでだな、王家からあるお願いをされたんだが」
「お願い、ですか? 一応聞きますけどなんですか?」
嫌な予感がするけど耳だけは傾ける。
「新たに王太子になる第二王子と婚約してくれないか『嫌です』だよなぁ」
思っていた通りだったので速攻で断った。
「私、暫くは愛とか恋とかとは関係無く過ごしたいの釣書とか断ってください」
「そうだな、暫くはお前のやりたいように過ごしなさい。家の事は案ずるな」
お父様はそう言ってくれた。
その後は他愛の無い話をしてお父様は帰って行った。
「これで王家への未練も断ち切ったしスローライフを過ごせるわ♪」
「王家がそんな簡単にお嬢様を手放すでしょうか? 特に王妃様はお嬢様をかなり買っていましたから……」
お父様が帰った後、メイドにそんな事を言われた。
「王妃様には確かに良くしてもらったわね、多分今回の婚約破棄の件で一番キレているのは王妃様よね」
私の事を娘のように可愛がってもらっていたのでそこだけは心残りだ。
「まぁとばっちりは国王様に受けてもらいましょう、殿下があんな行動を取ったのも国王様にも一因がありますから」
国王様は殿下の事を溺愛していたしかなり甘い、でも今回厳しい処分を下したのは王妃様から色々言われたんじゃないか、と私は思っている。
実質、この国の手綱を握っているのは王妃様だ。
国王様は若い頃にやらかしをして王妃様に頭が上がらない、と聞いた事がある。
(そういえば今回と似たようなやらかし、て王妃様から聞いた事がある様な……)
うーん、歴史は繰り返されるのね。