儘ならないね
彼女の願いを少しでも叶えてください。
「儘ならないね」
彼女が床に伏せた状態で呟く
僕は無力ながら、その小さな手を握る
彼女には夢があった
小説を書く夢
物を作る夢
色んな料理やお菓子を作る夢
彼女は人の為に何かする事が大好きだった
小説だって
物語が好きな僕の為に書き始めたし、
物を作ることだって
僕の為にキーケースを作ってくれたし、
料理だって
お菓子作りだって
僕が好きな物をたくさん作ってくれたし……
その彼女が
原因不明の体の痛みで
床に伏せることが多くなった
「痛い」と
繰り返す彼女に
僕は「大丈夫」だと繰り返すしかなかった
笑顔が素敵な彼女が
起き上がれないことに
悔し涙を流す姿程、辛いものはなかった
ねえ、神様
彼女の病を少しでも
良くしてください
お願いします
と僕は祈る
祈るしか
出来ないから……
新年一発目が、こんな暗い詩で本当にごめんなさい。
でも、彼女は本当に頑張っているんです。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。