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[No.90] 事件・事故一覧(30日付け)

▶スクール馬車バスにはねられ女性死亡、操縦の男を逮捕


 26日午後5時過ぎ、《リパーフート市》にある剣術魔法学園付近の道で、道路を横断中だった職業不詳の女性(68)が、スクール馬車バスの馬にはねられ、全身を強く打ち死亡した。馬車に乗車していた学生数名にはケガがなかった。

 同市自警団は、馬車バスを操縦していたスクールキャリッジドライバーの男・ニコラウス(65)を過失傷害によって現行犯逮捕した。取り調べでニコラウス罪人は容疑を認め、「葡萄(ぶどう)酒をひっかけながら(むち)を入れていたら良い気分になって叩きすぎてしまった。その結果、人をひっかけてしまい、大変申し訳なく思っている」などと述べているという。


▶妻子が行方不明 山賊による誘拐か


 《コモネ村》で26日の夕方、林業の男性・ヘルマンさん(35)が作業現場の森から帰宅してきたところ、家の窓が割られてあるのを発見。屋内は魔物が暴れまわったように物が壊され、壁や床には穴が空けられていた。家にいるはずの妻(33)と三人の娘(15)(13)(11)の姿が見えず、魔物による連れ去りを疑ったヘルマンさんはすぐに自警団に通報。

 現場検分の結果、人の靴跡が複数確認されたため、魔物の犯行を装った人間による誘拐事件と見直される。付近の山に(ぞく)が潜伏していると見て、翌日には、自警団と同村在住ハンターらによる奪還隊が組織された。

 しかし30日未明現在においても女性四名の発見には至らず、同村を訪ねてきた冒険者やバウンティーハンターを新たに雇い加えるなどして、懸命の捜索が続けられている。


▶帝都の市壁から大型弩砲バリスタが落下


 帝国軍当局は、27日の午前11時ころ、地上から市壁上へと吊り上げ作業中だった大型弩砲バリスタを、謝って落下させる事故があったと発表した。

 落ちたバリスタは一門(いちもん)で、地表数十メートルの高さから一気に落下後、地面と衝突してバラバラに(くだ)けた。吊り上げ滑車に使用していたロープが重量に耐えられず、()()れたものと見られている。通行人や兵員が居なかったため、負傷者は出ていない。この事故を受け、「安全管理の改善と徹底に務める」としている。

 軍では対魔物防衛機能の向上のため、帝都をはじめとした各主要都市の市壁に配備されてあるバリスタや投石機カタパルトなどを順次増設し、要塞都市化を進めている。


▶市街地上空に〝浮遊湖(ふゆうこ)〟がこつぜんと出現


 28日午後14時ころ、《ゼルキィーン市》上空に巨大な水溜りが出現した。

 水面が揺れるような影が、なんの前触れもなく地上に生じ、頭上を見上げると、(みずうみ)ほどに大きい水の塊が青空に浮いていたのだという。

 数分間、空中に停滞したあと、その〝浮遊湖〟の形が急に崩れ、晴天の大雨となって市内広域に降り注いだ。思わぬ降雨により洗濯物がびしょ濡れになるなどしたが、被害はその程度で済んだようである。

 浮遊湖出現の原因はまだ明らかになっていないものの、この事件後、ゼルキィーン市付近にあった湖の水がすべて枯渇(こかつ)していることがわかった。関連性を含め、魔物や精霊、また人間の魔法能力者による仕業など、あらゆる可能性を視野に検証が進められる方針だ。


▶魔法使用による女性強姦 冒険者の男を逮捕


 《マディティー町》の自警団は、同町内に住む家事使用人の女性(19)を強姦(ごうかん)したとして、住所不定の冒険者・キース(23)を、28日の夜10時56分に逮捕した。

 被害者女性によると、同28日午後、雇用主の(つか)いで行っていた隣町からの帰り道で襲撃に見舞われたという。単独冒険者のキース罪人は、逃げようとした彼女に、全身を(しび)れさせる制御系魔法を使用。さらに、声を奪う制御系魔法を重ねたうえ、無音で泣き叫ぶ彼女の首筋に、所持していた剣を当て「逃げようとしたら殺す。できないだろうがな」と脅して笑いながら犯行に及んだ。

 被害者女性は動けないまま放置されていたところを、通りかかった冒険者パーティーに保護された。惨状(さんじょう)を聞いたその冒険者パーティーが、捜査と逮捕に一役(ひとやく)買った。探知魔法を扱えるメンバーがいたことで、採取した体液からキース罪人がマディティー町の宿屋に滞在していることを掴んだのだ。そして、自警団引率(いんそつ)のもと、寝入ったところを強襲し、即日逮捕となった。

 キース罪人は犯行に及んだ理由を「着ていたメイド服にむらむらしてしまった。ほんの出来心だ」と供述していたという。被害者女性は〝ゾンビ刑〟を強く要望しており、後日、身柄が帝国軍へ引き渡される。その知らせを聞いた同罪人は「それだけはやめてくれ! 今すぐ処刑してくれ!」と泣き叫んでいるとのことだ。

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