表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/170

[No.8] 【お悩み相談】誰にも言えないボクの悩み……

 ♂ ジョゼフ 12歳(デゼルト高原・羊飼い)


 ボクにはどうしても周りの人に相談できない悩み事があります。


 このごろ夜になるとボクの部屋に女の人がやってくるのです。とても綺麗なお姉さんで、肌は透き通りそうなほど白く、髪の毛は黒くて足元まで届きそうなほどたいへん長いです。ボクがベッドに入ってうとうとしていると、いつのまにか部屋の中に入り込んでいます。


 お姉さんはいつも服を着ていません。ボクの上に乗っかって口ではとても言えないようなことをしてきます。どうしてボクの服を脱がすのか、体の上でぴょんぴょん飛び跳ねるのか、正直よくわかりません。ただ、そうされているうちにボクはすごく気持ちが良くなって眠ってしまいます。そして朝に目が覚めたときには部屋からいなくなっているのです。


 イケナイことをしている――されているのだということは、なんとなくわかります。気持ちが良くなった直後には罪悪感のようなものが胸に芽生めばえるからです。


 最初のうちはお姉さんがやってくると、やめてください、と抵抗していました。でもそういうときには決まってボクの顔に息を吹きかけてくるのです。人の口から吐き出されているとは思えないほど甘く、果実のような匂いのする息です。その匂いをぐと頭がとろんとしてきてもう何も考えられなくなってしまい、なされるがままにされてしまいます。


 今ではあらがうことはやめてしまいました。そればかりか、お姉さんが来ることを待ち望んでいる気さえします。羊飼ひつじかいの仕事をしているときにもお姉さんの顔が頭に浮かんできて、食事もろくにのどを通りません。イケナイとは思っていても、ダメなのです。


 ボクはいったいどうしたらいいでしょう?



     ■■■ (回答) ■■■


 勇気を出して今すぐご両親に相談しましょう。大丈夫です、ジョゼフくんがしかられる心配はありません。心配なのは毎夜のごとが継続してしまうことにあります。


 その〝お姉さん〟は、人間ではありません。〝サキュバス〟という名の魔物です。詳しい説明は割愛かつあいしますが、男性の生気を吸い上げて奪い取ってしまう悪者なのです。


 このままの状態が続けば、ジョゼフくんは憔悴しょうすいしきって死んでしまいます。だから早急さっきゅうさくこうじる必要があるのです。最寄もよりのハンターギルドの施設を訪ね、精力を持て余していそうな女性ハンターを派遣してもらい、ぎったんぎったんのメッタメタに退治してもらうのが望ましいでしょう。


 本来、サキュバスが狙うのは青年男性が主ですが、中には〝ショタい〟と呼ばれる特性のものも存在します。ジョセフくんの年齢をかんがみると、夜な夜な現れているのは、それのようですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ