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[No.63] 【お悩み相談】目が覚めたら彼女が魔物にすり替わっていた!

 ♂ レナール 21歳(ブロチコネン町・アルバイト)


 あ……ありのまま、今朝起きたことを書くよ!


『僕の隣には彼女が寝ていたはずなのに、いつのまにか彼女ではなく魔物が寝ていた』


 な……何を言っているのかわからないと思うけど、僕も何が起こったのかわからないんだ。


 昨夜、僕が眠りについたときまでは、彼女はたしかに彼女だったんだよ。

 それが今朝起きて、目を開けて見たら、どうだ……バケモノが隣で寝ている!?


 もう頭がどうにかなっちゃいそうだった。


 ソイツは一見(いっけん)、人間にも見えたんだ。でもすぐに女性型の魔物だとわかったよ。なにせ人であれば在るはずの、眉毛(まゆげ)がなかったんだからさ。両目の上がつるつるだったんだ。


 僕は勇気をふりしぼって、大口を開けてガーガーいびきをかくソイツを叩き起こした。


「お……おい、バケモノ! 僕の彼女をどこへやったんだ!」


「……なに寝ぼけたこと言ってるの、レナール?」


 驚いたことにソイツの声は、僕の彼女そのものだったんだ。よく見れば、着ている服や体型、髪型だって彼女と(うり)二つ。一瞬だけ(だま)されかけたよ。けどね、よく見たところで、顔面がバケモノであることに変わりない。可愛らしい声と不細工な顔が、なんともちぐはぐ。


 きっと寝ている間に魔物が部屋に入り込み、僕の彼女に()けていたんだ。


 僕は語調を強めて、追求した。


「オマエの目的はなんだ!? 僕の彼女に化けてるんだとしたら、見るも無残な大失敗だぞ! 僕の彼女は、美人なんだ! そんなヒキガエルみたいな顔をしていない!」


 次の瞬間、僕は魔物の攻撃を食らった。

 強烈なアッパーカットを(あご)にきめられ、反撃もままならずに全身から力が抜け落ちて、ベッドに崩れてしまったんだ。……マズい、殺される!、と思ったよ。でも追撃はなかった。


「最低ね。さよなら、このろくでなし」


 魔物はそう吐き捨てると、部屋を出ていってしまったんだ。


 ……まったく意味がわからないよ。


 アイツはいったい、なんという魔物なんですか?


 僕の彼女はどこに隠されてしまったのでしょう?




     ■■■ (回答) ■■■



 ソイツが、彼女だよ。


 おわかりですか?

 魔物事案ではありません。

 彼女さんの、ありのままの〝素顔〟を見ただけなのです。


 ふだん美人に化けていたのが彼女さんだった、そういうことです。


 レナールさんは、交際関係に致命的な亀裂を生じさせた痴話(ちわ)喧嘩の告白をしたにすぎません。

 おそらく、女性と一夜をともにするのは初めてのご経験だったのではないでしょうか?

 経験値不足が招いた、見るも無残な大失態というところですね。


 青年よ、現実を知れ、受け入れよ。


 いますぐ彼女さんの自宅へ行き、半殺し覚悟で土下座することを推奨します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] このレナールとかいうアホは女性を顔でしか判断してないんだな。 現代と違って顔を拭えば化粧は取れるし、眉毛も抜いて綺麗に見えるように描くのは化粧の基本である。 というか彼女さんが化け物…
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