6、これからどうする
こんにちは、こんばんは。
よろしくお願いします。
次に目を覚ました時は、とう外は暗くなっていた。
しかし部屋は明るい。照らしている魔力灯と呼ばれる明かりは結構明るいようだ。
ちょっと背伸びをしているとネルさんに呼び出された。どうやら夕食会場へと連れていってくれるらしい。
そこでまたランドバル伯とおしゃべりをするんだとか。
また部屋に入るとあの男が立っていた。
「待っていたぞ!」
怖い怖い。こんな良い体のおっさんがまるでおもちゃを見つけた子犬のような目を向けてくる。想像したくないものが目の前にある。
やべぇ......。
しゃべる内容は昼の時とほとんど変わらなかった。
お互い質問したり答えたり、そんな風にして食事は過ぎていく。
昼より夜のほうが贅沢そうなご飯が出てきたのだが、それに気をとられると何かいけないことまで口走ってしまう気がする。もっとゆっくりご飯食べたかったなぁ。
これもまた相手の作戦かもしれないが。
と、いきなりランドバル伯がビシッと目を向けてきた。
「それで、一番聞きたいことなんだが。」
「!...はい。」
思わずそのオーラには萎縮してしまう。さすがは領主。きちんとしてるところはしてるんだな。
「君は何をしたいんだ?」
「...はい?」
ちょっと拍子抜けだった。なんかもっと重い話がくると思っていたのだが。
ランドバル伯は話始めた。
僕が来て、異世界と関わる文献や情報を沢山調べてくれたそうだ。
しかし、どれをとってもその異世界からきた人が世界の危機から救った、人々を平和にしたということが順をおって詳しく書いてあるだけで、その人がどのような人なのか、どこから来て、人々を救ったあとどうなったか、何一つかかれていなかったんだとか。
ということで、僕が前の世界に帰る方法はわからず、しばらくはこの世界にいなければならないだろう、ということだった。
けれど、この世界にただただいるだけではもったいない。そこで伯爵は僕に「何かしたいことはないか」と聞いてきたのであった。
うーん、言ってることはごもっともなんだけど、いきなり言われてもなぁ。
この世界のことは全く知らない訳だし......
ん?全く知らない、そうだ!
「あの、この世界のことについて、もっと教えてほしいです。」
「ほぅ。」
「この世界に来てまだ少ししかたってないですけど、でも今までと全然違うということは痛いほどわかりました。だから、沢山のことを学びたいんです!」
「確かにそれは最もだが、本当にそれだけでいいのかい?」
「正直に言わせてもらうと、いきなり何がしたいと言われても、特になにも思い浮かばないんです。なので、色々勉強していくなかで、新たなやりたいことを見つけたいと思うんです。」
「そうか......それじゃあ、ネルを君の専属の付き人にしてやる。彼女から沢山のことを学ぶといい。もともとあいつもあの家を出ているからな。沢山知識があるはずだ。」
どうやらネルさんには何か秘密があるようだ。
「はい。ありがとうございます。頑張ります!」
こうして夕食の時間は終わった。
次の日
昨日の疲れもあったのかぐっすり寝込んでしまった。
朝飯か昼飯かよくわからないご飯を食べたあと、
「改めまして、本日からトム様の付き人となりましたネルでございます。これからもよろしくお願いします。」
こうして、ネルさんとの生活が始まったのだった。
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