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11話:母が波瀾万丈の生涯を閉じる。

 その後も、沢村広尾は、母の沢村貞江と奥さんとの3人で、車で箱根、山中湖、河口湖や熱海、伊東などに毎週のようにドライブに連れて行き、一番安い8月初旬には、2週間、野辺山の宿に止まり、お盆過ぎに帰って来る生活をしていた。そして2003年も終わり2004年となった。2004年になると、母の体調が優れなくなり、家から余り遠くない老人ホームを捜してくれないかと言われて、自然環境も考え合わせて、油壺ヨットハーバーのすぐ前に建つ豪華な老人施設に入居してもらった。初期入所預かり金が5千万円で年間300万円の費用と書いてあり、母の資産から拠出して、母の財産管理も息子の沢村広尾が任された。3月18日、沢村広尾と奥さんと母の3人で、その老人ホームへ行き、説明を聞き、書類を書いて、必要な費用を送金した。


 その後、彼女の入る部屋に連れて行った。窓から、油壺ヨットハーバーが一望でき、潮風も入る、60平米の部屋でベッドとテレビ、タンス、鏡台もあり、母は直ぐに気に入ってくれた。別れ際に、何かあったら、直ぐに、あなたの携帯電話に電話するからねと母が言うと、月に1-2回は、会いに来るよと、言うと、余り無理しなくて良いよと、優しく微笑みながら言った。そして、油壺を後に、本牧の家に帰った。夏は、油壺の母のところへ数回訪問して、慣れたようで、景色が良くて気持ち良いよ、母が喜んでくれた。老人ホームを訪ねる時には、三崎港の鮪を買って、自宅に戻ると、子供達も喜んで食べてくれた。その後、20004年が終わり、2005年を迎えた。


 2005年1月28日に、油壺の老人ホームから電話で、母が高熱を出して救急車で運ばれたと連絡があり、教えられた病院に駆けつけると、母がインフルエンザにかかり、隔離病棟に移されて面会謝絶と言われた。そのため、何もできず、その後、病院に電話をかけて、面会できるまで、じっと待った。2月2日になり、沢村広尾は、たまらず、病院に電話をかけて、大学病院かもっと規模の大きな病院に転院できないかと交渉すると、感染力の強いインフルエンザ患者を移動させることができないし治療方法だって限られているので、どこへ行っても変わりませんと、むげに断られた。


 2月3日には、更に体調が悪なりICUで24時間体制で管理することになったと言われ、窓越しに面会出ると言われた。そこで沢村広尾と奥さんの2人で車に乗って、病院に向かった。到着すると、ベッドに横たわり意識のない母の姿が、窓越しに見えた時には、沢村広尾と奥さんは、思わず涙を流し神に母を助けて下さいと頼んだ。しかし、その願いもむなしく、翌日、早朝、亡くなった。近くのホテルに泊まっていた、沢村広尾と奥さんは2月6日、インフルエンザの感染が亡くなったと言われて、母に面会できたが、痩せ細った母の腕の細さを見て2人は号泣した。 ひとしきり泣いて、落ち着いてから、葬儀の事を始めましょうと奥さんが言うと沢村広尾が家の近くの橫浜の葬儀社数件に電話した。


 そして葬儀社を決めて車で、葬儀社へ向かった。油壺から40分で到着し一番はい葬儀の日程は6日後の2月11日の11時からと言われ、了解し、それでお願いした。家に帰り、葬儀に呼ぶべき人を考えて見ると、家族4人以外には、呼ぶ人がいないことに気づき、葬儀社に話すと、構いませんと言われ、生前仲の良かった、近くに住む母の友人3人と、家族の合計7にんで家族葬をする事になった。2月11日は、みぞれ交じりで、ワゴンタクシーで葬儀場に入り、焼香をして、お坊さんに念仏を唱えていただき、生前の母の話を葬儀状のレストランに場所を移して、しばらくの間、話ながら、昼食をとり、骨を拾う行事になり、孫の良一と百合と4人で、てわけして、作業を終えた。その後、家の近くのお寺に埋葬してもらった。

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