エピローグ 逆さ虹の森
大きな大きな森に逆さ虹がかかってから、さらに何十年も経ちました。
その森はいつしか名前が変わり、「逆さ虹の森」と呼ばれるようになりました。
そんな逆さ虹の森に住む、キツネの親子。
そのご先祖様に当たるのは、あのお人好しのキツネ、リンだったりします。
「ねえ、お母さん! 何か面白い話を聞かせてよ」
好奇心旺盛な子供は、お母さんにお話をせがみます。
「そうねえ……なら、どうしてこの森に逆さ虹がかかったのか、教えてあげようか」
「わあっ、面白そう!」
お母さんはにこりと笑い、ご先祖様であるリンからずーっと語り継がれてきた、その物語を語り出すのです。
昔々、ある森に立派な虹がかかりました。
その虹は逆さまで、珍しい虹がかかったその森は、いつしか「逆さ虹の森」と呼ばれるようになりました。
その森には、歌上手のコマドリと、食いしん坊のヘビと、暴れん坊のアライグマと、お人好しのキツネと、いたずら好きのリスと、怖がりのクマが住んでいました。
また、逆さ虹の森には、ちょっと変わった場所が三箇所ありました。
一つ目は、ドングリ池。よく澄んだキレイな池で、ドングリを投げ込んでお願い事をすると叶うという噂があります。
二つ目は、根っこ広場。たくさんの木の根っこが飛び出した広場で、ここで嘘をつくと根っこに捕まるとか。
三つ目は、オンボロ橋。森を半分にわける大きな川にかかった吊橋で、今にも落ちそうなくらいボロボロになっています。
そんな不思議な森に逆さ虹がかかるようになったわけを、お話ししましょう。
『逆さ虹の森 —七つの想い寄り集まる森—』
はじまり、はじまり。
以上で「逆さ虹の森 —七つの想い寄り集まる森—」は完結となります!
いかがでしたでしょうか?
この童話は冬の童話祭2019参加作品です。
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今年の冬の童話祭には他にも「願い事はドングリと共に」「語り継ぐ物語」「四季の歌」という童話も提出しております。興味のある方は是非、目次ページにある「冬の童話祭2019」のシリーズから読めますので、読んでみてください。
最後になりましたが、「逆さ虹の森 —七つの想い寄り集まる森—」を読んでくださり、ありがとうございました!
秋本そら




