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クズでも転生できますか?  作者: Perestroika
2/3

第2話 目覚めましたよ。何故か。

何故かコンテニューした。

 目が覚めると、俺の視界には緑が覆う世界が映し出されていた。

 あぁ、ここが天国か。

 想像してた天国とは違うな。

 もっとこう、雲の上みたいなものだと思っていた。

 というか俺、天国これたんだな。

 クズでも天国これるなんてな。案外神様も悪い奴じゃなのかもしれない。

 ……でも、それならさ。

「現世でもっと俺を楽しませてくれたらいいじゃんかよ……」

 おっと。思わず声が漏れてしまった。

 とりあえず起きよう。天国まで来て寝たきりとかマジ勘弁。


「君は何を言っているの?」


 やっべ。聞かれてた。というか、いつからいた? 全然気づかなかったわ。

「やっと起きたね」

 隣には、深いピンクのような色の髪をした美少女が座っていた。

「あぁ、おかげさまでな。いつからそこにいたんだ? 急に声かけられたから心臓止まるかと思ったぞ」

「安心しな。一回止まってるから」

 そういやそうでしたね。俺、死んだんだったわ。

「まぁ、君を殺したのは私なんだけどね」

 ……はい?

「今なんつった?」

「だから、君を殺したのは私だって言っているんだよ」

 お前、あれか? あなたを殺して私も死ぬわ! ってやつ。ヤンデレかよ。

 でも、俺とコイツは初対面だよな? 俺を殺したのは確か、黒髪メガネのおとなしそうな奴だったはずだ。

「あの時の姿は、世を忍ぶ仮の姿。今の私が本来の私よ」

 お前は悪の組織かよ。というか、ナチュラルに人の心を読むのやめてくれません?

「……あぁ、そうなの。」

「あれ、殺されたこと、恨んでないの?」

「別に。あんな世界どうでもよかったしな。」

「でも君、最期さいごにちょっと悲しそうな顔してたよ?」

「それは……」

 紫苑と菖蒲のことだろう。なんだかんだアイツらとは、()()だったからな。

 確かに、アイツらを残して先に死んだのは少し心残りがある。

 けど、所詮俺は()()だ。クズな俺のことなんてすぐ忘れるだろう。

「なんでもねぇよ」

「……そう。ならいいけど」

 そう言ってその少女は立ち上がると、少し歩いて俺の前に座りなおした。

「じゃあ、あらためて」




「君を殺したのは、私。ところで、世界を救うことに興味はない?」




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「ごめん。意味が分からない」

 わお。こんなに思っていることがストレートに言葉になるとは思わなかった。

「ごめんごめん。ちゃんと説明するよ」

 そう言って彼女は、パチン! と、指を鳴らした。


 瞬間。


「うぉ! な、なんだぁ⁉」

 視界が歪みだした。いや、正しく言うのならば、()()が歪みだした。

「大丈夫。一瞬で終わるから」

 そのセリフ死ぬ前にも聞いたぞ。あの時結局一瞬で終わらなかったじゃねぇか。

 一体何がどうなってやがる。頭が割れる様に痛い。というか、死んだ後も痛みとか感じるんだな。じゃあ天国にも病院とかあるのかな?

 そんなくだらない事を考えているうちに、辺り一面が暗闇に包まれていた。

 頭の痛みも治まり、周りを見渡すと、少し離れた場所に先ほどの彼女が立っていた。

「こっち。ここに座って」

 近くにあった木製の椅子を指さし、彼女はそう言う。

「あ、あぁ……。つーかここどこだ? さっきまで天国にいたよな?」

「天国? 君、自分が天国に行けると思ってたの?」

 コイツ確実に喧嘩売ってるな。よろしい、ならば戦争だ。

「それに、君は死んでないよ? ()()()

「……今は? どういうことだ?」

「その辺も踏まえて説明するよ。ささ、座って座って。少し長くなると思うから」

 そう彼女に促され、俺は椅子に座った。


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