幻の自走20センチロケット弾発射機
昭和36年、東京が巨大な芋虫に蹂躙された時に、応急的に配備、使用された兵器に自走20センチロケット弾発射機がある。これは後のR30型ロケット弾に発展したロケット弾の先行モデルであった。
資料映像によると、昭和36年、東京に巨大な芋虫が来襲した 時、急遽、動員された陸上自衛隊部隊に、幻のロケット兵器が映っているのである。
装軌車両に、後に制式化された67式R30型ロケット弾発射機と同様の連装発射機を装備して、直接射撃にて巨大芋虫を攻撃している光景が残されている。
これだけなら、制式前に実用試験中のR30型を持ってきただけに見えるだろうが、この時点ではまだ口径30cm は研究段階、使えるのは試作中の口径20cmロケット弾であった。
このロケット弾を当時制式化されたばかりの60式装甲車に応急的に搭載したのがこの車両である。
本来は後方のロケット砲陣地に展開、中隊単位(6両)で運用されるものであるが、試作中のものを急遽、投入したため、至近距離からの零距離射撃というまるで野戦砲兵の対戦車自衛戦闘のような状況で使われており、射撃後即離脱する姿が映像に残されている。
弾頭は通常の榴弾であったが、強靭な外骨格故に、効果は見られていない。
もう少し早く、30センチロケット弾が実用化されてかつ、十分な数を投入できていたら、と関係者は後に悔しがったそうである。
巨大芋虫は強かった