試作ロケット弾再装填装置
ロケット弾の再装填装置を作って見たけど
大阪、福岡と試製自走多連装ロケット砲を運用した結果、やはり再装填がネックとなっている。
ここを改善すれば、特科の火力増強部隊として(十分な弾薬供給、多数の予備陣地の設営などの支援がある前提で) 使えると評価されたことから、試験運用している臨時自走多連装ロケット砲中隊では、富士学校などと再装填装置を試作してみることにした。
原理、構想は簡単で8発ごとのロケット弾を乗せたトレイに吊り上げ用の金物をつけて、水平を保って装填位置に吊り上げるようにしただけである。これをレッカーで吊り下げて発射機の後方に持っていき、後は隊員がチューブ内部に押し込み点火ケーブルを接続する仕組みである。
東富士演習場で様々な状況で夜間等にも使用したが、従来より半分の時間でできたのである。使用承認を取るべく、演練を重ねていたところ、今度は巨大な芋虫が来襲したのである、
今度こそはと張り切って、待機したが、今回の巨大な芋虫は勝手が違う。
東京沿岸からの上陸に備えて配備して弾薬の集積等も終わっていたのだが、何をどうしたか、東京郊外に出現である。
沿岸部に展開した陣地からの撤収、弾薬の移動などばたばたである。
ようやく、再展開終わってみたら、芋虫はまゆを作ってこもってしまった。
ならば、この隙にと戦力を集結して、砲撃を開始したが、羽化したとたんに、飛び立つ際の強風で再装填どころではない。
当初数発を装填したまでで、終わり結局、最初の射撃以降、機会を失った次第。
また今回再装填の際に、フィンを変形させてしまう事例あり、装填方法の見直しが必要になり、苦心の試作機材もお蔵入りになってしまった。
この失敗は、後継の75式では繰り返さないためにも、手動での装填となった一因であった。(折からの石油ショックで予算が圧迫されたり、また同時期に自走榴弾砲が二種類、開発量産されたのも重なったのも、スペックダウンにつながった)
なかなか思いどおりにはいきません