HVARについて
これは訳せば、航空機用高速ロケット弾です。
今回の自走多連装ロケット砲に使うことにしたロケット弾についての一言、って感じです。
この話の時代には量産中、かつ安定した性能、威力のあるロケット弾でした。
より大きいタイニーティムは、試験で大事故、だし2.75インチは威力的に?だし。
やはり潜水艦の船殼すら撃ち抜くパワーを買っての登用です。ランチャーにしても、実際に使ってた時はすごくシンプルなもんでいけてます。
そのあたりも、採用した理由です。
このロケット弾は、長さ1.8mで、直径が127mm、重さは56kgある。
発射機は24発三段式になっていて、既述のとおり次発装填装置がないから、装填するのは結構大変である。
(1発ごと吊し上げて装填する簡易なホイストも合わせて用意されてますが、現場ではあまり使わず、階段状の木製の架台を製作し、上にいる隊員に順次手渡ししていくやり方で、制式なやり方より半分の時間で済ますことのほうが多かったそうだ。)この手動での装填作業は後継の75式でも継承されて、近年、MLRSになりようやく楽にかつ素早く出来るようになったとのこと。
日中はともかく、夜間に重いロケット弾を持ち上げ装填する作業はさぞかし大変だったようである。
また弾頭については、 各種有りますが、でっかい怪物用と言うことで、今回は徳島基地から対潜用の弾頭を借り受けて装着したとのこと。
これは炸薬のない、ムクの鉄の塊で万が一、外れて周辺に着弾しても被害が最小限にとどまるとの配慮とのこと。
対潜戦でも、やたらめったら弾頭が爆発してもらっては水測兵器に悪影響があるからこういうのを使ってるそうで。
まあ、潜水艦のタンクや内殼に穴さえあけば良いんですからな。
また平らに整形された弾頭は水面に突入の際にスキップしないとのこととか、対潜用に特化しているそうである。
まあ、結果的にはこれででっかい怪物も、被弾したこと気にしてくれて、いくらかでも助かった部隊があったのは、不幸中の幸いでもある。
この後、より厄介な敵にも投入されます