試作首都防衛用機動兵器
アメリカやNATOからまともな呼ばれ方をしていないと、自衛隊が激おこしている、機密兵器について
この長たらしい名称は、最後まで性格のはっきりしないこの兵器の実態を示すものだった。
そもそも「首都防衛」の概念そのものが自衛隊、防衛庁の中でまとまりがつかなかったのが底流に存在する問題であった。首都東京は日本屈指の大都市であり、政治的経済的中心である。
これを守るのをどうするかである。
東京都内にはまともな戦力を持った部隊はいくらもない。戦車?静岡県においてある。大型の輸送ヘリコプター部隊は?千葉県である。虎の子の空挺も同じく千葉県。第1師団の一部である普通科連隊は練馬にあれど、それだけでこの大都市の防備を固めるのは不可能である。
都内の防衛庁、自衛隊の施設は本部や学校、研究所等重要だが戦力としては数えられないようなものが多いのである。
守るべきものが多すぎる大都市、それが首都東京である。
また各自衛隊とも、それぞれ固有の能力の違いから、守り方が違うのも問題であった。
航空自衛隊は弾道ミサイル、長射程空対地ミサイルからの首都防衛を考えている。
海上自衛隊になると、首都を守ると言うより列島周囲の制海権を確保する形になる。弾道ミサイル防衛も航空自衛隊の対空ミサイルより、より広い地域、海域を機動的にカバーすることになる。
陸上自衛隊は都内の少数の実戦部隊だけでは、師団として動くのも困難である。
また「守る」にしても、有事の際に「攻撃に耐えて」守るのか「攻撃をかわして守るのか、と言った違いも出てくる。
統幕やら防衛庁で、さんざんもめた後の結論は、
(1)首都防衛についてのシステムは陸上自衛隊の所管とするが、東部方面総監の指揮下でなく、防衛庁長官直轄とする
(2)核を含む大量破壊兵器の使用の場合もある程度の生存性を持った機動兵器とする。
(3)2項により、要求性能の優先は、防御力、機動力、そして必要な攻撃力となったのである。
この結果、カメの甲羅にホバークラフトのような機能のついた、いわば空中砲台のようなものができたのである。
1984年、東京に巨大な怪物来襲の時に初めて実戦投入されたが、誤って発射された戦術核弾頭によるEMP効果で機能不全を起こした後、怪物に破壊されてしまうのであった。
なお、当時の資料映像では乗員が戦死する様子が残されているが、実際には耐墜落性の高い本機では乗員は生還している。これは、当時の様子が外国メディアにも流されているための欺瞞情報である。最高機密扱いされていた兵器の性能をテレビにすべてさらけ出す訳にはいかないのである。
なお、今回戦闘に投入された機体以外に、武装は最小限で防御力と機動力を強化した人員退避用が若干数密かに千代田区に配備されていると言う未確認の情報も流されている。胴体に何かしら花の紋章らしきものがあるとか言われているが定かではない。
なお後の時代に、巨大なカメが空を飛ぶ前代未聞の事件の際には、防衛庁の一部はこの兵器の改良型と勘違いして「誰の許可で飛行させているか?」と巨大なカメ相手に誰何したとの噂も記録されている。
またこの機体については同盟国たるアメリカも詳細なデータがなく、「X1」と呼称しているがそれを聞いた自衛隊では「アメリカの実験機X1と紛らわしい!性能からしてもスーパーくらいつけろー」と部内でぶつぶつ言ったとか。
NATOではこの正体不明の物体に「フライング・ライスクッカー」扱いしてるもんだから、余計に頭にきたとも噂されている。
どうですかね。




