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試製自走多連装ロケット砲奮戦記  作者: 通りすがりの野良猫
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いわゆる「冷凍爆弾」について

巨大なカメが北海道に出現した際に使われた「冷凍爆弾」です

以前、北極海にて米ソの限定的交戦があり、迎撃した米空軍のFー102によりソ連の試作爆撃機?が領空侵犯したため撃墜されている。

この時はガンカメラに尾部銃座から型式不明の後方防御用の短距離ミサイルが発射されたりしているのが記録されてたり、迎撃機が規定に則り、対応しているのに反撃したりと撃墜もやむ無しとなった様子が残されている。

せめてこれだけならまだましであるが、搭載していた核兵器が墜落のショックで爆発と、偉いことになったのも有名な話である。

核爆発の規模については米ソとも詳細は公表していないが、一部ではフィズル、つまり核爆発は発生したが、反応は設計通りに進まなかったとも言われている。


搭載されていた核兵器は原爆と表現されていて、言われているように不完全爆発ならば三重水素を添加して威力を増大したブースト型の原爆であったとも思われる。

この爆発は氷の中に閉じ込められていた巨大なカメを解放し、その後北海道に出現し、その対策から自衛隊出撃となるのである。

とは言え、全長60メートルのカメである。

何を持って攻撃するかである。

その時に陸上自衛隊から提案された兵器がここに述べる「冷凍爆弾」である。

資料映像では「南方のジャングルで」使用云々と言われていたが、実はあれは大蔵省との予算折衝の際の言い訳であった。実際は、陸上自衛隊の各種装備の寒冷地試験のための環境をつくるためのいわば局地的冷却装置と言う程度のものである。

この資料映像の完成時期はちょうど61式戦車が量産中、64式小銃が制式化寸前の頃、つまり初期の国産装備が実用化され始めた頃であった。


当時の陸上自衛隊の兵器開発部門の幹部の多くは、旧軍の経験者で満州の酷寒を実際に経験したりしていた。

戦後の国産装備も念のため酷寒の環境でも確実に作動できるか試験することを希望したのである。

寒冷地での戦車の運用など大戦中のドイツ軍も苦労したことが記録に残っている(エンジン始動の際にすでにエンジンがかかった車両と冷却水交換しながら暖めたり、外部から小型エンジンで駆動したり)

寒冷地ならではの工夫が必要になるのである。


北海道あたりで、それほど必要?という意見もあったがなんと言っても、対抗部隊(甲)は寒さに慣れたソ連軍、是非ともしっかりと各種装備の寒冷地試験は行っておきたかったのである。


さてこの時、寒冷地での環境をつくるための方法だがなんとも粗っぽい方策がとられていたのである。液体化した窒素を噴出させて対象物とその周辺を冷却するというのである。

これなら装備を収容できる本格的な建物を建てる必要もなく、急速に冷却できる、という利点があるなど予算的にも優しい点が評価されたのである。

(寒冷地に実際に部隊を派遣して試験を行うのは輸送費、さらに寒冷地手当てなど様々な費用がいる。

また恒久的な冷凍庫を設置するにはまた予算的壁が、、、)

液体化した窒素は零下

196度、これを寒剤として放出していくことで冷却するのである。

これ自身には毒性がない。酸化もしないから安定した物質とは言える。

ただし問題なのは、窒素が液体化されたら、気をつけておかないとそれよりは沸点の高い酸素が液体化して液体酸素という物騒な代物もできることである。

また密閉されたような室内では窒息の危険もある。

上記の特性から、この「冷凍爆弾」はあくまで一定の狭い範囲を限られた時間冷却できるに過ぎないのであり、映像記録にあるように「10分間しか効かない」というのは正しい認識である。


巨大なカメ対策として慎重に設置された冷凍爆弾は見事に設置したエリアを冷却、寒さに弱いカメの動きを牽制、その間に爆薬設置、カメをひっくり返したのは大成功と呼べるであろう。

ただ、ひっくり返したカメがまさか手足を引っ込めジェット噴射で回転して飛んで行くまでは予測できなくても仕方あるまい。

後日、空自の上空援護を受けなかったのか、また高射特科との連携をしていればなど一部マスコミからの批難があったり、それに便乗した野党からの批判があったが、「カメがぐるぐる空を飛ぶ」事実に驚いた世間の前にはいつのまにやら忘れさられたのは、まあ当然の結果であった。


なお今回の「冷凍爆弾」のような冷却兵器は使いどころが難しい点があり、約半世紀後まで巨大な怪物への対策には使われなかったのも、当然といえば当然であった。



約半世紀後、今度は東京で巨大な怪物相手にも同様な液体窒素による冷却戦法が使われています。なかなか準備が大変だから、一般的には使いどころの難しい作戦ですな

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