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試製自走多連装ロケット砲奮戦記  作者: 通りすがりの野良猫
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ACー46攻撃機について

巨大芋虫攻撃にあたった、Cー46輸送機改装攻撃機について

東京タワーに繭を作り飛び去った巨大芋虫については、有名な事件であるが、このときに投入された「攻撃機」を皆さんは覚えておいでだろうか?

資料映像では洋上にて巨大芋虫に対してナパーム液の入ったドラム缶に信管をつけただけの簡易な焼夷弾を投下したのはCー46輸送機であった。

でも映像を良く見ると、胴体下面に爆弾槽が開口しているのがわかるであろう。

本来ここには開口部は造られていないのである。つまり輸送機である機体を改造するには根本的な改造をしなければ、ここには爆弾槽と扉などは附けれない。

これは、当時の世相を反映した、『幻の攻撃機』、ACー46の姿である。


航空自衛隊発足後、地上攻撃についての能力はFー86Fが担っていたが、戦闘爆撃型としての能力が初期のA型等より改善されたFー25以降の改修型とは言え所詮、1000lbsくらいまでの爆弾二発から四発とHVAR8発では、航続距離や搭載量の点で不十分と考えられたのである。

かといって、その当時にそこそこの搭載量の機体としたらBー26くらいしか航空自衛隊としては手がとどかなったのである。ところか゛、このBと言う記号が我が国では問題とされたのである。

「平和憲法下の我が国で、爆撃機とは何事か?」と言うような議論が出てきたのである。

なんせ戦後のアメリカ爆撃機は基本的には核爆撃機だったから余計にそんな風に思われたのである。


この「風評被害?」をかわしてかつ、それなりの予算内で、それなりの攻撃力のある機体を得るために選んだ方策がAつまり攻撃機としての、航空自衛隊への導入である。

これはベトナム戦争中、爆撃機をタイに配備できなかったアメリカ空軍が無理やりBー26をAー26と改称したのと同じ発想である。

また、現実的にも、限られた搭載量やろくでもない命中精度からも、胸を張って爆撃機などと言えない代物であったのも事実である。

当時の戦術的な用法は、ソ連軍の戦闘機の行動半径外で夜間、低空で日本本土に上陸してきた、ソ連軍の海岸堡に侵入し概略照準で良いから、油脂焼夷弾をばらまいて、敵の水際での撃破を図るのを意図していたそうである。

攻撃機と言っても、昔の陸上攻撃機やらのように敵主力に真っ向から向かうのではなく、敵の最も弱い時点を奇襲する代物であった。

これは無理やり機体を改造し、主翼の左右をつなぐ中央翼を切り欠いたため、補強材の重量がかさんだことから、搭載量が制限されたこと、補強されたとは言え強度の低下した主翼の制限荷重から、はでな機動ができないと言う物理的制約から、自ずと出てきた戦術であった。

歴史的に見ても、爆撃機改装の輸送機はなんとか使えても(輸送効率など抜きにして)輸送機改装は、胴体の全面的な改装抜きには成り立たないことが、様々な例がある。

事実、この攻撃機もこの巨大芋虫攻撃以降は表にでることなく、実戦から外され、航法訓練や物量投下の訓練はたまた海難救助の際のライフラフトの投下などの用途に転用されたとのことである。


後日、ベトナム戦争でACー47が活躍しだした頃、本機も小型榴彈(迫撃砲弾を流用)投下する地上支援機に復活できないか研究されたがすでに運用時間の限界近くかつ補強した主翼にもクラックが多数見つかるようになったため、陽の目を見ることはなかったとのことであった。



結局、まともな地上支援攻撃はFー1導入までおあずけとなってしまった航空自衛隊でした

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