64式対戦車誘導弾(改)
人造人間の末裔が日本で人間を襲った時に使われたミサイルです
1956年から開発が始まった64式対戦車誘導弾、64式MATは制式化された後に、とんでもない怪物、それも2体を相手にする陸上自衛隊始まって以来の困難な戦闘に投入されたのである。
これはあの有名な「人造人間」の成長したものと、それから剥離した細胞が自然界で自己増殖したクローンの2体である。
この2体はオリジナルのほうはまだ温和であるが、クローンのほうは人間を襲い食べる危険な存在であることが判明したから、戦闘が困難となった
温和な怪物が、人食い怪物を打撃していることから、まず危険な怪物のほうを片付けることになったが、ここで問題が発生した。2体の怪物が格闘しているため、危険なほうだけを打撃するのが困難なのである。
同時に試用された指向性エネルギー兵器はなんとかベテランの陸曹達の連携操作で、常に射界に置くことができたが、主力となるべき特科が火力発揮するのが制限(細胞を飛散させるのが危険な為、通常の榴弾が使えない)された為にどうしても今、一歩踏み込めないのであった。
ここで使われたのが64式MATである。
これはミサイルが飛翔するとき点火されているフレアーを眼鏡で見ながらジョイスティックで誘導する手動誘導式の第1世代の対戦車ミサイルの一つだが、こいつの成型炸薬弾頭を当初は、焼夷弾に変更する予定であったが、意外に怪物の移動速度が早く、焼夷弾に弾頭を交換した「改」型は、輸送、展開が間に合わず、やむを得ず成型炸薬弾頭のままで使用することになった。
効果については、指向性エネルギー兵器との共同作戦のため、この誘導弾だけのダメージを確認するのは困難である。
ただ、筆者が実際に目にした発射訓練の様子では、職人芸を要するらしいこのミサイルが標的を直撃するシーンを目の当たりにしていることからも、命中精度はそれなりにあったと思われる。
残念ながら、高速のメタルジェットが巨大な生物の(装甲板に対するより柔らかな)身体に命中した場合のスタンドオフ距離のずれから効率の低下もあり、通常期待できる口径の数倍にもなる貫徹長は無理であった模様ではある。
そのため資料映像でもあまり活躍するシーンはないが、このミサイルの開発はその後に続く日本人による対戦車ミサイル開発の原点になったことから記憶されるべき兵器であろう。
難しいミサイルでしたが、後々新型開発の礎になりました