F104用特殊焼夷弾
これは、航空自衛隊のF104J戦闘機に搭載して使用された、ロケット推進の焼夷弾にまつわる話である
これは、航空自衛隊のF104Jで行った作戦行動で最も危険な作戦で使われた、特殊なロケット推進の爆弾である。
これは、増加タンクを流用し旧式化した5インチHVAR4基のロケットモーターを束ねて付けただけの代物である。
山梨県の高速道路工事の現場から、有史以前の翼竜のような格好の怪物が出現した時、こいつの巣を焼き払うために急遽既存の装備から、流用製作されて配置されたのである
そもそもF104Jの胴体下のクリアランスは余裕ないが、アメリカ空軍のC型以降の機体は、ここにB28EX、つまり機外搭載型のB28核爆弾を搭載可能(自衛隊の場合は管制装置はないから運用できないが)つまり、直径0.5メートル、長さ4メートル、重さ約1000キロ
の兵器は寸法、重量的には積める訳である。
この化け物のような翼竜には、極めて指向性の強い超音波を放つ能力があり、すでに多数の航空機が犠牲となっていた。
この超音波の射程(数キロ)をアウトレンジして、巣を焼き払う大型ナパーム弾を撃ち込む兵器が必要になったのである。
(通常のナパームぐらいでは体液を噴射して消す特殊能力のある翼竜でもあったから大型ナパームが必要になった)
当初はこの用途に陸自の68式R30ロケット弾を使うことを考えたが実用頭部は榴弾しかなく、没になり、米軍のオネストジョンも同様である。
また他の航空機では、搭載量が不足したりするためF104Jからの航空攻撃となったのである。
このように書くと、簡単に聞こえるかも知れないが、戦闘爆撃機として運用されている、西ドイツ空軍やカナダ軍等と違い、せいぜいロケット弾やまれにAIM9を積んでの迎撃戦の訓練中心の航空自衛隊の場合は、こんなでっかい物をぶら下げての地上攻撃等は荷が重いのであったが、そこは職人気質の航空自衛隊、なんとか離陸して目標にたどり着き、なんとか命中弾を与えることに成功したのである。
この時の苦労がやがて国産のF1支援戦闘機を生み出したり(火器管制装置を充実させたり)、翼下面や胴体下に充実した兵器を搭載可能なF4を採用することきつながったのである。
この攻撃の後に、この焼夷弾による火災を目当て?に来た巨大なカメとの戦闘により翼竜?は退治されたのであった。