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試製自走多連装ロケット砲奮戦記  作者: 通りすがりの野良猫
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61式戦車改造(105ミリ砲搭載案)

61式戦車の火力強化の検討です

61式戦車のように90mm砲を主砲にした戦車がその次の世代の主砲である105mm砲を積むのは、M48シリーズをみても問題なさそうである。

しかしである。現実には大きな壁があったのである。

61式には寸法的に二つの制約があった。まずは、鉄道輸送のための車体幅、さらに床下にドライブシャフトがあることで車体の上下に寸法の制約がある。

一方30センチほど幅広い74式はエンジンと変速機を一体のパワーパックにできていることから、ドライブシャフトがないが、 これでも戦闘室内にはたいしたスペースの余裕はないのである。

狭いスペースにでっかい大砲と、さらにでっかい弾を扱うことは戦闘時の動作に問題を生じるのは明らかであった。


かと言っても、61式の制式化当時は戦車のような重量物を迅速に運ぶには鉄道以外ないのだから、どうにもならないのてある。またSTA3、試作機の段階で半自動装填機の導入が費用削減で採用されてないように、費用の制約もあるから、もう 下手な改修で費用かけれないのである。


この時期に、当時の西ドイツの「駆逐戦車」の情報が入ってきたのである。

この車両は10トン軽い車体に固定式の戦闘室を設け、、まさに大戦中の4号駆逐戦車やヘッツアー駆逐戦車を彷彿させるような車両である。


これを見て61式の強化案として、105ミリ砲を固定式戦闘室を設けて搭載する案が出されたのである。

これにはあちこちから賛同者が出て本格的な調査が始まったのであるが、モックアップを作ってイザ形にしてみると、どうにも背の高い不恰好な代物である。

よく知られている通り、61式は車体前部に変速機を搭載してあり点検用の開口部がある。これをそのままに砲搭を取り去り箱型の戦闘室を載せる訳だが

今一つである。

これを戦闘室と一体にしたら、整備点検が面倒なことこの上ないのである。


この時期は車体や砲搭に丸みをつける避弾形姿が重視されている時代で角ばった不細工な戦闘室はいかにも旧式な印象を与えたのである。

また大口径の主砲に見合う戦闘室の正面装甲を施した結果、車体前後の重量のバランスが崩れ機動力に影響する可能性が出てきたのである。

これは、前部のトーションバーの強化などで改善のめどはつくが、こんなことやらで、重量がじわじわ増してきたのが問題となってきたのである。


つまり現在の61式を支援する駆逐戦車が、戦場で61式についていけなくなる。さらに今後、後継の新戦車(74式として結実)と共同するとなると、より厳しいものになるのが見えてきたのである。


結局、これだけの費用と手間を出して遅かれ早かれ旧式化する駆逐戦車を新たに改造して配備するなら、その資源を次期戦車に集中したいとなってきて、

61式戦車の改造案はお蔵入りとなってしまったのである。




なかなかうまく参りません

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