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草を生やす能力を貰った結果wwwwww

作者: 烏丸

容姿、背景、衣装全て想像におまかせします。

 目覚めると、目の前には神様がいた。


「俺はどうしてこんなところにいるんだ?」


「すいません」


 神は土下座をしている。神のくせに生意気なやつだ。


「何故土下座してるんだ」


「高速道路のパーキングエリアから突然走り出したくなったでしょう? あれは私の手違いです。本来ならば三日後に、あなたはビルの12階にある会社内で走ってガラスを割って飛び降り自殺するというものでした。この度は申し訳ございませんでした……」


「神のせいで無駄になった俺の三日間……それは昨日死んだ誰かが死ぬほど生きたかった三日間なんやで。分かる? この罪の重さ」


「はい。存じております。なので、これから新しい世界へとご招待させていただきます」


「なるほど。それならいい」


「ありがとうございます。それでは、異世界に旅立つあなたに能力を授けましょう」


「何?」


「その能力とは『草』です。掛けたい対象に向かって『えいっ』ってやれば能力がかかります」


「えいっ」


 俺は目の前の神に向かって能力を発動させた。

 すると、神の言質が変化したのだ。


「ちょwwwww止めてwwwww下さいwwwww」


「おい、バカにしてんのかテメー」


「バカにwwwwwしてないですよwwwww」


 聞くからにして弱くて小物のような印象になった神。

 今の神なら俺でも殺せそうだ。お、よく見たら地面に剣が。

 ちょうど良い。近くの看板には『選ばれし者、これを引き抜けやカス』とか描かれているしな。

 俺はアリを殺さないような力の加減で剣を引っこ抜いて、目の前の神に向かって剣をぶっ刺した。


「かっwwwwwはっwwww」


 ちなみに、今の言葉は神が血を吐いている様を文章にしたものだ。

 神は終始笑顔になりながら地面に倒れ、その生涯を終えた。


「ありがとう神様。君の笑顔は忘れない……」


 さっそく異世界に転生し、俺は――途中の過程は文章にするのも面倒くさい。

 とにかく王国へたどり着いたのだ。女を二人侍らせてな。


「さあwwwここがwww王国ですよwww」


「行きましょう主人公さんwww」


 ちなみに、二人の女は俺を性的な意味で襲ってきたから草を生やす能力を使った。これは正当防衛だ。

 そしたらなんということでしょう。二人の女は共に笑い合うことができたのです。永遠に。

 よし、俺のおかげだな。またしてもいたいけな女の子を笑顔にしてしまった……。罪深き男だよ俺は。

 あと近くに奴隷を侍らしている男がいたからそいつは殺し、奴隷を仲間に入れた。


「おう、お前が王様か。俺は主人公。この世界の主人公だからタンスの中身を見せてもらうぜ」


「貴様! 王に向かってなんという口の利き方を!」


「まて兵士よ。面白いではないか、私にタメ口を聞くクソ野郎とは……」


「へっ。どうよ? ちなみに兵士。お前はウザいから能力使うわ。えいっ」


「お前wwwwww何をwwwwwwするwwwwwwwwwwww」


「よし。貴様の能力を見込んで頼みがある」


「何だ?」


「魔王を退治してほしい。報酬はない。それでもいいか?」


「ふん、けったいな依頼だな。さしずめ、俺はボランティア軍といったところか。なるほど、いいだろう。暇つぶしにぶっ潰しに行ってくるか」


「ありがたい。兵士と自称勇者を何千人送り込んでも倒せない魔王だったのだ」


 俺は王より伝説の剣を受け取り、魔王城へと走った。走ったら簡単に着いた。

 階段を上がっていくのはメンドクサイン(これ、ロボットの名前みたいだよね)なのでいつの間にか習得した上昇気流を操る魔法でTEPPENへと突入したのだ!

 ドッカーン!

 壁を開けて現れたのは一匹のバッタ……ではなく俺だ。


「な! 何だお前は!!」


「俺は主人公だよ……この世界のな。さあ、さっさと死ね」


「出たwwwwww主人公さんの決め台詞wwwwwwwww『さっさとwwwwww死ねwwwwwwwwwwww』wwwwwwwwwwwwwww」


「シュ・ジンコウ。それが貴公の名か。ならば、我の名を伝えなければなるまい。我の名は――」


「反撃の時間なんてない! えいっ!!」


「――我はwwwwwwwww魔王wwwwwwwwwwwwワロスwwwwwwwwwwwwwww」


「よし、魔王にもこの術は効くみたいだな」


「ちょwwwwwwwww笑ってwwwwwwwww力がwww入らないwwwwwwwwwwwwwww」


「王より授かった伝説の剣……『芝刈り機』。これでお前の命を刈り取る……!!」


「待てwwwwwwwww話せばwwwwww分かるwwwwwwwww」


「お前……何を笑っているんだ!? お前の支配で……どれだけの血が流れたと思っているんだ!!」


「そwwwwwwそれはwwwwwwwwwwww」


 俺は思い返す。旅の思い出を。

 地面にこびりついた人間の血液。荒廃した村や町。やせ細っていく民衆。そして、仲間との別れ……。

 その記憶たちを、こいつは笑ったのだ。そんなやつを俺は許せない。

 こんな、小物のようなやつに……俺は負けない……!!

 これが最後の戦いだ! いくぞ魔王ワロス!


「行くぞ! 作戦名『ラストダンス』! 化物には寄生されるなよ!」


「了解wwwwww主人公さんwwwwwwwww」


「化物とかwwwwwwwwwここには魔王しかいないwwwwwwwwwwwwですよwwwwwwwwwwwwwww私wwwwwwwwwしばし佇んじゃいましたwwwwwwwwwwww」


「マズい! 死ねええええ!!」


「ぎゃあああwwwwwwwwwwww」


「何でwwwwww仲間をwwwwwwwww刺したんですかwwwwwwwww」


「フラグだからだ。異論は認めない私は謝らない。だがそんなことはどうでもいい! 死ね! 魔王!!」


「ぐわああああwwwwwwwwwwww」


 何とも緊張感のない断末魔を上げて魔王は死んだ。

 最後まで、ヤツは笑顔だった。サイコパスなのだろうか。今までこんなやつが世界の半分を支配していたとは。世界とは恐ろしいものだ。

 さっそく魔王の頭を持って帰る。一応、討伐したという証拠を押さえるためだ。

 王国に帰ると、いつか俺を無礼だと怒った兵士が笑って迎え入れてくれた。彼も、俺との出会いを重ねて俺を認めてくれるようになったのだ。その証拠が、彼の屈託のない笑顔なのだろう。


「帰ってきたwwwwwwwwwwww早wwwwwwwwwwww」


「よう王。帰ってきたぜ。おみやげは魔王の頭でいいか?」


「おお! 本当に帰還し、魔王を討ち取ってくるとは……!」


「感心してる場合じゃないぜ王様。これから世界の支配はアンタが一任することになるんだからな」


「ありがとう。主人公」


「いいってことよ。……で、報酬は?」


「え?」


「報酬だよ報酬! 早く出せオラ!」


「い、いや報酬はないって最初から――」


「何だって!? それは本当かい!?」


 王様は慌てて弁解している。こいつ、最初からそのつもりで俺を騙していたのか!?

 ぜってぇ許さねぇ!


「死ね王様! えいっ!」


「ヤバwwwwwwwww私にもwwwwwwwwwwww能力がwwwwwwwwwwwwwww……とでも思ってたんか? お前が死ぬんやで」


「な、何!? 俺の能力が通用しない!!」


「私……いや、ワイには通用しないで」


「く、くそ! えいっ!」


「草」


「何!? 俺の能力が一言で表示されてしまった!」


「やれやれ……『大草原の小さな家』」


「ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 王様の一言により、俺は深刻なダメージを受けてしまった。


「うーんこれは最高や。お前のような旧人類に、ワイは殺されへんで。なんてったって、ワイの一族はこの国の原住民を滅ぼしたことがあるんやからな」


「ならば……やるしかないようだな」


「なんやて? もう一回言ってみい?」


「禁術を使う……」


「禁術やと!?」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 『草不可避wwwwwwwwwww』」


「ぐあああああああ誤用!!」ち~ん(笑)


「ふっ……勝ったな――ガハッ!」


 禁術を使いし者。自らの黒歴史に傷つくことになる。

 そう、体が凍りついていく。

 寒い……なんて寒いんだ。

 今までの自分の行いを振り返る。そのどれもが素晴らしい行いだ。

 きっと俺は天国へ行くのだろう。

 仲間は俺の死を仲間なりに悲しんでいる。だけど、決して悲しい顔はみせない。

 みんな笑ってくれている。俺の死を。

 ……ありがとう。もし、みんなが悲しい顔をしてたら、俺は嫌な気持ちで死んでたかもしれない。

 だけど、こんなに笑顔が溢れた空間で死ねるんだ。こんなに素晴らしいことはない。


「ありがとうみんな……俺のために……笑顔でいてくれて……」


「死なないでwwwwwwwwwwww主人公wwwwwwwwwwww」


「あなたが死んだらwwwwwwwwwwww私たちwwwwwwwwwwwwwww」


「いいんだ。それ以上は言うな」


「この魔法wwwwwwwwwwwwどうやって解除すればいいんですかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「……もう、意識がない」


「待ってwwwwwwwwwwwwwww生きろwwwwwwwwwwwwwww」


 じゃあな。みんな……。


 こんな感動的なラストを迎えた俺。

 目覚めると目の前には神様がいた。


「俺はどうしてこんなところにいるんだ?」


「あなたには新しい世界を旅してもらいます」


「新しい世界? ふふふ、面白い」


 次の世界はどんな展開が待っているのだろうか。

 俺の旅はまだまだ続く。永遠に……。

こんなのでも、書くと疲れるんだなと悟った

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