プロローグ
目的を果す、護りたい者を護る。
その為には手段は問わん。
誰かを殺してでも成し遂げる。
だから俺は、復讐者と成り、魔神になった。
例え、元の自分が歪もうとも・・・。
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力は満ちた。
ただの鎧は魔界の深淵の大地に住む、冒涜的な生物のようななにか【黒き大地】から力を得た。
この鎧の名は、黒き鎧。
黒き鎧は魔界の深淵の地より消え人の子に宿った。
その事を知った魔神は嗤う。
『黒き鎧よ意思を持たぬその身で何をする』
傍らにいる下僕である悪魔は主人のただならぬ嗤いに身を震わす。
今もなお、嗤い続ける魔神の名は
【魔神王ザールガルズ】
魔界を支配し神々をも超越した者。
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昔話、をしよう。
・・・と言っても私が死ぬ前の話だ。
私の名前は『――』。
死んだせいか死ぬ前の名前がよく分からなくなっている。
だが私がどう言う人間でどのような存在かは認識出来ている。
話を戻そう。
そう・・・死ぬ前の話だ。
私は戦いが好きだった。と言ってもこの現代で戦うということはほとんどない。
私の中の戦いとはいつもゲームの中だけだった。
ある意味一種の現実逃避なのかも知れない。
そんな日常に嫌気が差してきた頃のことだ。
「おーい『――』。
この動画はいいと思うよな、このキャラクターはキャラがよく立っているからな」
動画の事について話かけてきたのは私の兄だ。
私の興味がないことあること構わずに話をしてくる。
鬱陶しいと思ったこともある、しかし同時に楽しいと思うこともある。
「私はこっちのキャラクターのほうがいいと思う。」
「えー『――』はそっちのほうがいいのか?」
「ああ私はこっちのほうがいいと思う」
「このキャラクターのほうがいいと思うだけどな」
そんなことを言い合っていると彼が切り出した。
「なあ『――』お前ネット小説書こうと思ってるんだって?」
私はネット小説を書こうと思っていた。
書こうと思った理由は、他人の書いた小説に憧れた。
それだけだ。
同じ様な理由で書く人は沢山いる。
その中の一人だったというだけだ。
「なんなら俺が世界観の設定を考えてやろうか」
「いいよ自分で書くから、それにそろそろ学校に行かないと」
私は兄の話を切り上げ学校に向かった。
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「おはよー」
「おー、おはよう」
クラスメイトの挨拶が聞こえてくる。
しかし私に挨拶してくる人はほとんどいない、私は友達が少ない。
・・・いや作らなかったと言うべきか?作れなかったと言うべきか?そんなことを考えている内に声が聞こえた。
「『――』おはよー」
私に挨拶する人などほとんどいなかった。
その為自分の名前を言われて、挨拶されていることに驚いた。
「ん? まさか私に言っているのか?」
「このクラスにあんた以外に『――』ってやつどこにいるのよ?」
私は女子の友達を作った覚えは・・・なかった。
しかし私に挨拶するなんて、珍しい人もいたもんだ、などと考えながら自分の席に座った。
「よお『――』元気か」
こいつは私の数少ない友達である。
「いやーあまりネット小説の人気がでねえわ」
もう一人の友達私よりも先にネット小説を書いている。
なかなか人気は出ていないらしい。
「お前ネット小説書くんだって?
できたら教えてくれよ、読むからさ」
「まだ出来てない。絶対書くというわけでもない。」
そう言って断りを入れた時だ。
キーンコーンカーンコーン
「おっチャイムがなったぞ早く座らないと」
そう言って友達は席に座った。
ガラガラ
「お前ら席に座れよ」
先生がきたようだ。
「それじゃあ授業をはじめる」
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「やっと授業終わったー」「疲れたよねー」「じゃあそろそろ帰ろうか」
帰りのHRも終わり。
教室がうるさくなる。
私は特に、用事はなかったが早く帰ることにした。
この判断が後の響くことを知らずに・・・
私が帰り道を自転車で帰っている。
その時だった。
突然体が苦しくなった。
「!?!?!?!?!?」
訳も分からない状態のまま、私は死んだ。
―――――――――――――――――――――――
そして・・・
今このどこだかわからない場所にいる。
目の前には紅蓮色の髪をした。
気の強そうな女の子が立っていた。
「あんたは死んでしまったわ。
あたしのミスでね」
この女は何を言っているんだろう?
「あーもう察しが悪いわね。
あ ん た は死んだの。」
「私が死んだ?」
どうゆうことだ?
「何故そう言い切れる?」
「私は神様よ。
そんな事くらい知ってるわよ」
「神様?」
「そう私は、神様よ」
「その神様が私に何のようだ」
「あなたは、私のミスで死んだから他の神に見つかるとヤバいの。
だからあなたには、転生してもらうわ」
「転生?もとの世界にか?」
「違うわよ。
違う世界よ」
「違う世界とは、どこの世界だ」
「そこはランダムだから、私にはわからないわよ」
この女神、私をミスで殺したうえに、どこの世界に行くかわからないか・・・。
この女神のことは、駄女神と心の中で呼んでおこう。
「転生すると言っても体は、そのままだし赤ん坊にはならないわ。
その代わりあなたには、私から能力をあげるわ」
「能力?」
「そう能力よ。
どんな能力がいい?」
「能力・・・私は今回のような訳のわからない死にかたは・・・、嫌だな。
魔法やスキル、能力を無効化する能力をくれ」
「それでいいの?
その能力だと攻撃手段が魔法を覚えるか物理しかなくなるけど」
「それでいい」
「そうか・・・じゃああたしが特別にもう一つ能力をあげるわ。
あんたは、戦いが好きだって言ってたわよね。
それなら争いの場所に行ける能力をあげるわ」
「ありがたい」
「はい、これでステータスに加わったはずよ。
見る前に自分の名前を決めておきなさい」
・・・意外としっかりしているな。
駄女神とか思って悪かった。
私の名前か・・・
死ぬ前の名前は覚えてないし・・・新しく名前を考えないとな。 名前はセルムにしようか。
理由は特にない。
「名前は決まった?
じゃあステータスオープンと念じなさい」
ステータスオープン
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ステータス
セルム
スキル
身体能力強化
限界突破
黒き鎧
魔法
能力
我が身は戦場にあり
全てを無効にする領域
称号
異世界人
戦いを愛する者
―――――――――――――――――――――――
これが私の能力か・・・
「女神よこのスキルはなんなのだ」
「スキルは、主に努力や才能によって得られるものでいわば、自分で手に入れた物がほとんどよ。」
「だが私は身体能力強化や黒き鎧などのものを、てにいれた。
覚えがないのだが」
「それがあんたの才能じゃない。
ステータスを見たことによって開花したんじゃない?
それじゃあそろそろお別れよ。
スキルや能力、魔法の効果はステータスオープンしているときに、念じれば分かるから」
「そうか少しの間だったけど世話になったな」
「そんな事はいいわよ。
私のミスだった訳だし、それじゃあいってらしゃい」
そう女神がいったあと私の立っていた床が割れた。
落ちていく中で女神が「テンプレテンプレ」と言ったのを、私は忘れはしないだろう。
・・・意外と長いなこの内に能力などの効果を調べておこう。
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身体能力強化
呼んで字のごとくだ調べなくても分かるだろボケ。
限界突破
うおおおおおお限界を突破するぜぇぇぇぇ!!限界突破するだけだ。
黒き鎧
【黒き大地】から力を得た黒き鎧。
物理攻撃から体を守ってくれる。
【黒き大地】とは名状しがたき忌まわしい殺意をはなつ世にあるべきでわない冒涜的な何か。
ただただ吐き気を促すような悪意だけは感じとれる。
その姿は、たびたび変わり真の姿を知る者はいない。
生物のようななにか・・・―――――――――――――――――これ以上閲覧することは出来ません
我が身は戦場にあり
争いのある場所に行く能力。
全てを無効にする領域
スキル、魔法、能力などを無効にする領域を作れる。
範囲はこの能力の所有者が自由に決められる。
異世界人
異世界に行ったことのある人に送られる称号。
戦いを愛する者
そのまま。
―――――――――――――――――――――――
・・・・・・・・・。
【黒き大地】か・・・会いたくはないな。
下のほうから光が見えてきた。
そろそろか。
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気づいた時には、森に立っていた。
これからどうするか【我が身は戦場にあり】を使えばいいのか?
そんな事を考えながら使った。
「【我が身は戦場にあり】」
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目前には緑色の醜悪な子供?のようなものが数人立っていた。
後ろには銀色の髪をした少女いる。
おそらく緑色の醜悪な子供?は、ゴブリンとか言う奴だろう。
襲われているのか?
もしかしたら友好的かもしれない。
「何をしているんだ?」
「ギギギギャアギャア!」(ニクガフエタ)
(# ゜Д゜)普通にモンスターか!
ちょっとでも期待させやがって、だが丁度いい私の初戦は貴様らだ。
「そこのひと早く逃げて下さい!
私のことはいいから」
・・・・・・。
私がここで逃げればこの異世界では、情けなくて生きて生けないだろう。
それに・・・私は今楽しいのだ。
「では行くぞゴブリン共【身体能力強化】」
私の声と共に、ゴブリン達が襲い掛かってくる。
身体能力強化の恩恵かどうかは、わからないがゴブリンの動きが完全に見える。
ゴブリンが棍棒を構え、殴り掛かる。
私はそれを完全に見切り避け、反撃する。
「ここだ!!」
二体のゴブリンの体を殴る。
「ギャア!グググ」バタバタ
二体のゴブリンを倒したら、後ろから錆びた剣を持ったゴブリンが攻撃してきた。
奇襲か・・・。
知能は低いが、間抜けという訳でもなさそうだ。
だが、身体能力強化をしている私なら十分に対処できる。
「貴様で最後だ!」
奇襲してきたゴブリンを蹴り飛ばす。
「ギャギャア」バタ
ゴブリンを殲滅した。もう残ってない様だ。
呆気ない私の初戦はこんなものか。
「少女よ大丈夫か」
「ははいありがとう。
ゴブリンを素手で倒すなんて凄い!」
凄いのか・・・
そんなに強くはなかったのだが・・・
いや、そんなに強くはないが侮っていい相手ではないな、大群が押し寄せてきた厳しい戦いになりそうだな。
「私は、リリアナだよ!」
「自己紹介をしていなかったな。
私の名前はセルムだ。
・・・旅をしている」
「え冒険者じゃないの?」
「冒険者?なんだそれは」
「冒険者を知らないの?」
冒険者、知って置かないと不味いか。
「と、遠い所から来たからな。」
「そうですかそれじゃあ。疲れているでしょうから、私の村まで来て!」
「それは嬉しいが・・・いいのか?」
「大丈夫!」
「それじゃあお言葉に甘えて。」
話ながら歩いていると村らしきものが見えてきた。
「リリアナ?リリアナ!どこ行ってたの!心配したのよ」
「ごめんなさい。遊んでいたらいつのまにか森の中に、入っていて・・・でも!大丈夫!このお兄ちゃんが助けてくれたから」
おお兄ちゃんだと!
妹がいない私には、少女からお兄ちゃんと言われるのは新鮮だった。
「そうなんですか・・・娘のリリアナを助けていただきありがとうございました。
お礼に我が家で休んでいって下さい」
「ありがとうございます。泊まる所がなくて、困っていたところでしたから。」
しかし女神がテンプレテンプレいっていたのは、このことだったのか?確かにテンプレだな。
そして私はリリアナの家で何週間か過ごした。
その頃には・・・
「お兄ちゃーん」
「なんだ」
「えへへなんでもない」
リリアナにめちゃくちゃなつかれていた。
助けられた時のことが印象的なのだろう。
しかし、これ以上お世話になるわけにもいかないので、この村から出ていくことを伝えることにした。
「そろそろ街のほうに行きたいと思います」
「えーお兄ちゃん居なくなちゃうの?
やだよ!」
「こらリリアナあまりセルムさんを困らせてはいけませんよ」
「だって」
「セルムさんはもともと旅をしていたのです。
止めてはいけません」
「リリアナ。
これが最後の別れという訳ではない。
もっと大きく成ったらまた会おう。
それまで良い子で待っているんだぞ」
「うんわかった良い子で待ってる」
いい子で良かった。
「お世話になりました」
「またねーお兄ちゃーん」
「またいつでもいらしてくださいね」
行くか!
――――――――――――――――――――――――――
道が見えてきた。村からはそう離れてはなかった。
この道を歩いて行けば街に着くんだな。
っモンスターか!
ゴブリン一匹か黒き鎧がどうゆうものか試してみたかったんだ。
【黒き鎧】
私の体に霧がかかりはれたころには黒き鎧を装備していた。
どうやらフルフェイスらしい。
ゴブリンがこん棒を振り上げて攻撃してくる。
私はあえて避けなかった。
「ギィ!?」ガキン
鈍い音をたててこん棒を弾いた鎧は、キズ一つ付かなかった。
身体能力強化を使ってないのにも関わらずほとんど衝撃を感じなかったな。
ゴブリンも驚いている様だ。
凄いなこの鎧は
【身体能力強化】
「ギャア!」ガッ
ゴブリンはこれでもういなくなったか。
その時
バゴオオオオオオオオン
凄まじい轟音と共に微かな衝撃が伝わってくる。
ここまで衝撃がきているだと!?
この方角は村のほうからだ!
私は身体能力強化を使ったまま急いで村に向かった。
―――――――――――――――――――――――
私が村まで来て見たものは、衝撃で壊れ燃えている建物。
倒れている村人だった。
私は急いで倒れている村人に話かけた。
「どうした!何があった!」
しかし村人は死んでいた。
リリアナはリリアナは無事なのか!
壊れて燃えている建物の中を探した。
そこはリリアナの家あるはずだった場所だ。
そこで倒れているリリアナを見つけた。
「リリアナリリアナ大丈夫か!」
「・・・お・・・兄・・・ ちゃ・・・ん?」
「痛いよ体が痛いよ・・・私は・・・もうだめなのかな。」
「大丈夫だ!
リリアナ助けてやるからな!」
「ありが・・・と・・・う・・・」
「リリアナ!?
目を開けてくれ!リリアナ!」
私が行かなければ・・・リリアナや村の人達を守れたのに、優しい村の人達。
天真爛漫だったリリアナどうしてこんなことに?
その時焼けていた建物の上が吹っ飛んだ。
なんだ!?
「あれー?
あの爆発で、まだ生きている人がいたんだー」
「あんたやりすぎよ。
死んじゃているじゃないWWW」
「可愛い子いたら奴隷にしようと思っていたのに。」
「ハハハ楽しいー!」
なんだなんなんだ!
こいつらは
私は当然の如く怒りが沸いてきた。
「お前達がやったのか!!」
「あれー怒った怒ったそうだよ。
俺達がやったんだよーWWW」
「WWW復讐でもするかいWWW」
「おっ。その子可愛いいじゃん。
あれ?
死んでいるじゃんWWW」
「どうしてこんなことができる!」
「遊びだよーWWW」
「あんた黒い鎧なんか付けちゃってさあキモいんですけどーWWW」
「選ばれた僕ら転生者に殺されてこいつらも本望だろうWWW」
村の人達が殺された。
リリアナも・・・
私がいなかったせい?
いや!
悪いのはこいつら転生者達だ。
私じゃない!
私がいれば助けられた?
私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は俺は
そうだこいつらを皆殺しにすればいい。
その時リリアナの体が黒い霧になって鎧の中に入った。
【黒き鎧】が【黒き復讐の鎧】に進化しました
称号【復讐者】を獲得しました
(^雪^)/「よお小説、書けたか?」
(^狂^)/「もちろん書けているさ」
(^雪^)/「どれどれなんだこれ?もっと濁点とか付けたほうがいいぞ。こんなんじゃ見てくれる人いないぜ」
(´・ω・`) 狂帝「じゃあどうすればいいんだよ」
(^雪^)/「ちょっとだけ直してやるよ」
!!(゜ロ゜ノ)ノ 狂帝「この手があったか」
やっぱりベテランは凄いですね。俺には至れない境地が・・・