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別視点1
猿もどきの三人称です。
彼は見ていた。相良が相良の言う熊もどきに殺された所を。だから待った。熊もどきが食事と言う隙を見せるまで。だが、彼は1歩遅かった。
彼は静観した。死んだはずの相良が現れ、熊を殴り倒し鬼気迫る表情で殴り続けるのを。
彼は観察した。相良が何なのか。何をしているのか。彼は猿もどきの中では頭が良かった。だから分かった。前に来たあれの同族と同じことをしようとしているのを。
彼はまた待った。相良が隙を見せるのを。もっと凄いだろう同族ですら隙を見せた解体終了の時を。
そして、相良は死んだ。その隙に彼は爪を拾い、熊の皮をはがした。いつもは殺した獲物は少しの肉を取るのだが、彼は今回、相良のように他のものを持って行くことにした。