If Life
どうもはじめまして。裸エプロン閣下といいます。
今回の作品『If Life』は私の処女作品となりますのでなにやらおかしな要素があるかもしれません。
よろしければ評価、感想のほうをお願いします。
1:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
死にたい
2:名無し:――年――月――日(―)
しょっぱなからどうした?
3:名無し:――年――月――日(―)
タイトル通りだな。なにがあった
4:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
今の自分ってなんだろう
5:名無し:――年――月――日(―)
知るかんなもん。死にたきゃ勝手に死ね
6:名無し:――年――月――日(―)
>>5
お呼びじゃねえからさっさと帰れ
7:名無し:――年――月――日(―)
>>5
邪魔。うせろカス
8:名無し:――年――月――日(―)
>>6、7
もとより興味ねえから消えるわw
とりあえず>>1
死にたきゃさっさと死ねw
9:名無し:――年――月――日(―)
>>8
興味ないなら最初からくんな
10:名無し:――年――月――日(―)
>>9
全くもってその通り
11:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
会社を興して経営をしていた。
最初はうまくいっていた。
不況の中けっこうな業績で黒字だった。
一年くらいして結婚もした。
けれど三か月前会社で火事が起きてすべて失くした。
会社も妻も生まれたばかりの子供も全部。
残ったものなんて莫大な借金だけ。
ごたごたで妻や子供の葬式も満足に行えずにいる。
借金取りが毎日アパートの前までやってくる。そのせいで大家から退去させられた。
借金取りは次来る時までに金を用意しないと生命保険に入れると言われた。
このままいてもきっと殺されるから書いた。
12:名無し:――年――月――日(―)
お金借りたのってやばい所だったの?
警察には相談したの?
13:名無し:――年――月――日(―)
火災保険はなかったの?
14:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
>>12
たしかにやばい所だったけど火事になる前には十分稼げていたから返すつもりだった。警察のほうは言ったらどうなるかわかってんだろな、って脅されて何も言えない。
>>13
その辺も全部借金取りに取られた。
本当に死にたい。
15:名無し:――年――月――日(―)
おい待て、両親はどうすんだよ
16:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
>>15
少なくともこのまま生き続けて迷惑かけるよりましかと……
17:名無し:――年――月――日(―)
ふざけんな。子供死んで安心する親がどこにいるんだよ
18:死にたがりの名無し:――年――月――日(―)
>>17
その子供を死なせてしまった私はどうすればいいのですか
19:fff:――年――月――日(―)
もし>>1 が本当に人生をやり直したいと思うならこれを
http://――――――――――――――
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
もし本当に人生をやり直したいと思うなら、か……。
そんなの当たり前だろ。ダメもとでやってみるか。
http://――――――――――――――。
『ご両親のお名前とご自身の生年月日と血液型を入力してください』
見たところただの診断のようなものだが、本人じゃなくて親の名前か……。
まあ、住所を入れるわけでもないし特に問題はないだろう。
両親は道弘と安恵、生年月日は――――――
『幾つか質問をしますので選択して下さい。やり直しはできません』
『1.あなたは会社を起こしたことを後悔していますか。Yes/No』
ずいぶん的確な質問だな……。
答えはNo。俺が会社を興していなかったら彼女とは出会えていなかった。
『2.あなたは妻と結婚したことを後悔していますか。Yes/No』
No。彼女がいたから俺は今までやってこれたんだ。
後悔なんてする要素がない。
『3.あなたの――
…
……
………
この診断はなんなんだ? さっきから的確なことばかり聞いてくるし段々とさかのぼっている。80番台では小学生頃の話になっている。しかも全部あることだ。
『次で最後の質問です』
ようやくこの長い質問も最後だ。
この診断は驚かされてばかりだがもはやどんな質問が来ても驚かない。
だが最期の言葉は思いのほか拍子抜けする内容だった。
『100.あなたはもう一度この世界で生きたいですか Yes/No』
……? どういうことだ? もう一度同じ人生を繰り返したいかって意味か?
だったらNo。友人や両親には悪いが彼女を死なせる人生なんてもう真っ平御免だ。
『ご回答ありがとうございます。それでは新たな世界で会いましょう』
なんだこれ、どういう意味だ? 新しい世界?
よくわからない一文が頭を悩ませるがやってくる睡魔が俺に寝ろと訴えてくる。
画面右端を見るともう結構な時間が経っていた。
とりあえずスレに報告して寝るか。明日は仕事探すのやめよう……。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あれから5年の月日がたった。
最初は信じられない事ばかりだったから現実逃避していたけど無意味だった。
どうしてこうなったのかわからないが多分最後のあの質問が関係しているんじゃないかと思っている。
「リューン、お菓子あるわよ~」
「ハーイ、今行きます」
呼びかけるのは私の伯母。尖った耳を持つ妙齢の女性。
まあ、俗にいうエルフだ。無論魔法も使う。
――ただいま異世界にいます。