近づくクリスマス、誤解を招く?!
湊くんのおかげで風邪を引かず、温まって出てきたところで、ふと、あることに気づく。
「待って、あとちょっとでクリスマスじゃない…?」
今日は12月17日…て、あと7日?!
「気づかなかった!!どうしよどうしよ、プレゼント渡したいっ!」
興奮して、ぴょんぴょん飛び跳ねる。推しには今まで数え切れないほどクリスマスを祝ってきたけど、本人に直接祝えるって、最高かぁ?!
急いで部屋に戻り、スマホでクリスマスプレゼントを漁る。
「でも、せっかく直接祝うなら、ファンのみんなが送れないようなものがいいな~。」
湊くんが喜ぶもの…手紙?流石にベタか…、普通にプレゼント、なんか普通だな…うーん。
「どうしたの?」
ドアの方から聞こえたイケボに肩がビクッと反応する。
「み、湊くん!ど、どうしましたか?」
動揺が隠せなくて、声が裏返ってしまった。汗がダラダラと頬を伝う。湊くんは怪しそうに私をじっと見つめる。
「なに隠してるの?」
「なにも隠してませんって!」
ここでバレたら嬉しいも何も、クリスマス当日気まずくてプレゼントどころじゃない!!
「ふーん。」
ドアにもたれていた湊くんは私の部屋に入ってきた?!
「ちょっ、湊くん?!ストップです!ここ私の部屋ですよっ!」
「教えてくれないんでしょ?」
どんどん迫ってくる湊くんに焦って椅子ごと後ろに後ずさる。
やばいっ、絶体絶命!!
椅子から立とうとした瞬間、足がもつれてどてーんと派手に転んでしまった。
「え、大丈夫?」
ちょっと笑いながら私を見下ろす湊くん。その顔は絶対バカにしている笑顔だと思うけど…
「だっ、大丈夫ですっ!」
ムスッと立ち上がる。湊くんは私を見て笑ったあと、ふとスマホに目を移した。
「落ちてる。」
手を伸ばしかけた湊くんの顔が、すっと真顔になった。
「…クリスマスプレゼント?」
「あっ!」
さっと自分の手で隠したけれど、もう遅し…湊くんは神妙な顔をしてフリーズしていた。
「っと、その、もうすぐクリスマスだなーと、思って。」
明らかに言い訳だけど、気まずいクリスマスだけは勘弁して!
「…あいつにプレゼントあげるの?」
「へ?」
あ、あいつ?もしかして、岳?なんか、勘違いしてない?
「…俺よりあいつの方が付き合い長いしね。」
はっ、これはもしや、言い訳できる最大のチャンスなのでは??!
「そ、そうですね!お世話になってますし。」
湊くんは、「ふーん。」と小さくつぶやくと、足早に私の部屋を去っていった。
「あ、あっぶなぁ。」
しばらく呆然と立ち尽くしていたが、私は安心してへなへなと床に座り込んだ。
にしても、湊くんの反応…あれは、なんだ?湊くんを思い浮かべると、あの微笑みが脳裏によみがえる。トクンと、脈が打った気がしたが、気づかないふりをした。
「とにかく、ごまかせたんだよね…」
私は吐息をつくと、また湊くんへのプレゼントを考えた。
~八話に続く
最後まで読んでくれてありがとう!
おやや?ってところで終わっちゃったけど、次も頑張って書くので、応援してくれたら嬉しいです!




