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映画デート three


やばいやばい!バレちゃった!!さすがにごまかせない!どうしよう!あ、とりあえず彼女じゃないって言わなきゃ。


 慌てて訂正しようと顔を上げると、隣から肩を抱かれた。


「え、」

「えええええ??!」


私の驚く声が、周りのギャラリーの歓声でかき消される。


 いつの間にか起きていた湊くんは、ギャラリーたちに向かって「静かに」と言わんばかりに口の前に人差し指を立てた。


 そのジェスチャーで一気に歓声はおさまり、ギャラリーたちの湊くんを見る目はキラキラと輝きだした。


「映画、見てくれてありがとう。このことは内緒だよ?」


天使スマイルでバチンとウインクする湊くんを直視したギャラリーは、鼻血が出るんじゃないかってほど顔を赤くし、ぶんぶんと顔を縦に振った。


 唖然とそのやり取りを見ていた私の手を取り、湊くんは一気に駆けだした。


「わっ、湊くん!バレちゃったじゃないですか!どうしましょう?」

「家が特定されたわけじゃないでしょ。今から走って帰るけど、追いかけられらてるかもしれないから全力で振り切る。」


 さっきの天使スマイルは消え、いつもの不愛想な性格に戻っていた。てか湊くん足早いな?!


「私っ、体力無いですっ!何年運動音痴組なめないでくださいっ!」


息切れしながら叫ぶと、湊くんはマスクをかけながら振り向いた。


「がんばれよ。こんくらい。それとも抱き上げて走ってやればいいわけ?」


思わぬ言動に顔がゆでだこのように赤くなるのを感じる。


「自分で走りますっ!」


湊くんはふっと笑うと、「抱き上げる気ないけどな。」と一言と付け加え、また前を向きなおした。


なんか、さぁ、今、めっちゃ恋愛ドラマのワンシーンみたいじゃない…?!どうしよう!大人気俳優と手つないで?走ってる?ほんとにこんなことあるんだね…(感動)


 だいぶ走った後、後ろを確認する。誰もいないことを確認して、私はその場に座り込んだ。息が荒く、呼吸をすると喉がひりひりする。


「大丈夫?万年運動音痴組は大変だな。」

「それっ…もう…忘れて…っ、」


呼吸の合間にかすれた声を引きすぼって答える。


「映画、どうだった?…やっぱ自分の演技見るのは嫌だな。あの告白のシーン、絶対見られたくなかった。」

「そ、そうですか…?感動しましたけどね。…え?あのシーンのとき湊くん寝てませんでしたっけ?」


だいぶ息が整ってきたとき、湊くんに問いかける。


 湊くんはぎくりと体を震わせたが、スッと私から目をそらした。


「お、起きてたけど。」

「そうでしたっけ?…ま、いっか。」


疲れ切った頭で思い出すのがめんどくさくなって、考えるのを止めた。


 それからはバスで家まで帰って、疲れた私たちはそれぞれの部屋でいつもよりも早くベッドに横になるのでした。




~十七話に続く


最後まで読んでくれてありがとう!


もう十六話ですね!ありがとうございます!


次も読んでくれたら嬉しいです!

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