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映画デート one


 どうしよう…デートだと思ってしまうと、どんな服着ていけばいいのかわからんのだが。


 スマホで検索してみるけど、ネットに乗っているようなオシャな服持ってるわけないんですよねぇ…私の持ってる服で一番まともなやつ…


 クローゼットを片っ端から漁っていると、真新しい赤いもこもこのニットと、革製の白いミニスカートを見つけた。これは確か去年のクリスマスパーティーで着たやつだっけ。


「これでいいかもー!新しくて毛玉もないし、可愛い!」


よくぞ無事に残っていてくれたーっ!とギュッと服を抱きしめる。


 私はタイツをはいて、ネックレス付けて、髪をポニーテールに結んで落ち着いた。


意識してておかしいかな…?緊張するー!推しとデートー!


 鏡とにらめっこして湊くんを待っていると、階段からガタッと音がした。

 そこには、深緑色のコートを羽織って、マスクをし、私のあげたマフラーを優しく結んだ湊くんが…


かっこいい~…なんか、いつものラフな感じと違っておっしゃれぇ…マジで目の保養だわ。ポーッと見とれていたら、湊くんが気まずそうにそっぽを向いた。


「あ、ごめんなさい!今日の湊くんも人一倍かっこいいですねぇ。」

「そ。早く行こ。チケット取れない。」


 私のことを一ミクロも見ずにさっさと歩いていく湊くん。てか歩くの早いな。あ、足が長いからか。納得~。


 湊くんの後をてくてく歩いてついていく。


「…ねぇ、」

「はい?」


湊くんは足を止めずに続ける。


「あんた、はたから見たらずっと俺に付きまとうストーカーだよ。他人じゃないんだからそんな距離開けなくてもいいじゃん。」


相変わらず対応は塩だけど、優しい人ぉ…


「ありがとうございます…。」


ほろりと流れた涙を拭きながら湊くんの隣に並ぶ。


「は?なんで泣いてんの?」


湊くんは汚いものを見るかのような目で私を見下ろす。


「いや、湊くん優しくて…気にしないでください。私切り替え早いので。」


最後の一滴を拭くともう涙は引っ込んだ。切り替えは早いのは長所だと思う!!!


 湊くんに視線を向けると、湊くんがじっとこっちを見ていることに気づいた。


「え、な、何ですか?」


 急にドギマギしてきた…湊くん、マジでかっこいい…


「そのハンカチ、使ってんだ。」


湊くんは手の中にある、パッチワークのハンカチを指さした。


「あっ、はいっ!可愛いし、私の宝物です!」


湊くんは、寒い冬に思わず花がほころぶような笑みを返してきた。


かわっかわわ、かわいい…。一周回って美しい…湊くんって爽やかな感じもあるんだ…ギャップ萌ええぐぅ…うぅ。


「ありがとうございます…。」


にやけている顔を両手で覆い隠す。


「何が…」


湊くんはまた汚いものを見るような目で私を見下ろしたけど、前を向きなおしたその顔はさっきよりも明るい気がした。




~十五話に続く


最後まで読んでくれてありがとう!


次はいよいよデート本番♪


楽しみにしてくれたら嬉しいです!

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