あれれ?これってもしや…
ピピピピピ…ピピピピピ…
目覚まし時計が静かな朝に鳴り響く。
「うーん…」
カーテンから差し込む光が私の顔に当たる。気持ちいい冬休みの朝。重い瞼を持ち上げて体を伸ばす。けど、まだ起きる気になれなくて、ごろんと寝返りをうつ。
「ねぇ、そろそろ起きてくれない?」
声が聞こえて意識がだんだん戻ってきて、ふとベットのわきに目をやる。そこにはサラサラのセンターパートが完璧に似合っていて、切れ長で優しそうなめもと。シュッとした唇はウルウルしていて、ビジュが恐ろしいほど良い、西片、湊くん…。ん??!
「湊くん?!何でここにっ??」
びっくりして飛び起きたら、湊くんは少し視線をそらして呟いた。
「映画見に行かない?」
「……は、はい?」
朝っぱらから衝撃的なことが起こって頭がパンクしそうっ!
「だから、映画見に行こうって。」
「え、何でですか?」
湊くんはちょっと間を開けた後、
「俺が主演の映画、見たいなって思っただけ。」
ぼそっと呟く湊くんをじっと見つめる。流石に湊くんが家にいる環境に慣れて、今度は湊くんが大人気俳優ってことにあんまり実感が持てない。
「あ、そういうこと!いいですね!いつ出ますか?」
「2時からの、行こ。ご飯はあっちで食べればいいし。」
ちらっと私を見る。
「そうですね~。楽しみで…」
あれれ?これってもしやデート?映画館に?二人っきりで行くと?完全にデートっすね。はい。え、え、まって急に緊張してきた!なんで湊くんこんななんてことない顔してんの?!
急に黙った私を不思議に思ったのか、湊くんはキョトンと首をかしげて
「どうした?なんか都合悪い?」
キュルキュルおめめで顔をのぞき込んでくる湊くん。その瞬間、チュドーンと私の顔は真っ赤になり、湯気でも出るんじゃないかってほど熱くなった。
「だっだだだ、大丈夫ですっ!そうと決まれば準備しなきゃですね!11時くらいに出てちょっと遊んでご飯食べて映画見ましょ!あと一時間くらいで出ないといけないので、私ちゃちゃと準備済ませます!湊くんも早く準備してくださいね!顔は隠しておいてくださいよ!じゃ、そういうことでっ!!」
勢い任せに言葉を並べて、目を丸くする湊くんを部屋から追い出した。私はドアにもたれたまま、ずるずると地面に腰を落とす。
「…デート、かも。」
真っ赤の顔を手で覆うと、冷たい掌が熱い頬い当たってヒヤッとした。寒いはずの冬の朝が、湊くんのせいで真っ赤になるほど熱い朝に変わってしまった。
~十四話に続く
最後まで読んでくれてありがとう!
やー、湊くんもいきなことしやがるぜ…。
と、いうことで、また次回お会いしましょう!




