雪がもたらすハプニング!
~翌日~
「うわぁ~!雪だぁ~!」
12月25日、朝カーテンを開けると、外は平凡な街が一変し、見渡す限りの銀世界になっていた。
「湊くん!雪積もってますよっ!」
眠そうな湊くんの肩を勢いよく揺らすと、湊くんは嫌々外を見た。
「うわぁ、寒そ…よりによって今日積もるとか…。」
うげぇっと顔をしかめる湊くん。
「今日どっか行くんですか?」
湊くんを見つめて首をかしげると、湊くんは分かりやすくギクッと肩を震わせた。
「…ちょっと行きたいところがあって…。」
私の視線から逃れようと左右に目線を泳がせる湊くん。
わっかりやすい人だなぁ。なんか小動物に見えてきたんだが…
ニマニマしながら、湊くんを見る。
「私も一緒に…」
「それだけは、だめ!」
大きい声ではっきり言われ、今度はこっちが目を丸くした。
「そ、ですか?」
ちょっと傷ついたけど、プライベートなもの買うのかもしれないし…パンツとか、パンツとか。
湊くんは朝ご飯を食べると、部屋に戻り、着替えて下りてきた。
「あっ、もう行くんですか?」
「うん。」
コクリと頷いたその首には、昨日のマフラーがふんわりと結ばれていた。
「使ってくれてるんですか?ありがとうございます!」
「そりゃあ、もらった物は使わないとじゃん。」
湊くんは照れたのか、心なしか赤く染まった顔を隠すようにマフラーを持ち上げた。
「ちゃんと顔隠しといてくださいよー。」
湊くんは片手をあげるとすぐに外へ出ていった。
「湊くんが寒い日に外出したがるなんて…冬用パンツとかが欲しいのかな…」
(大真面目)
私は湊くんの出ていった方向を見送ると、暖房の利いた部屋に戻った。
冬休みに入ったから、リビングには私しかいなかった。
テレビを付けてみると、どの番組でもクリスマスの話題で持ちっきりだ。
「うはぁ、みんな充実してるなぁ。ま、私ほどではないけどっ!」
昨日の湊くんの笑顔を見れてからは、とてもとても機嫌がよろしい。寝るときもすっかり浮かれてしまって、顔から笑顔が消えなかった。
「正式には今日がほんとのクリスマスなんだなー。お菓子でも作っちゃおうかな?」
テレビに映る豪華で華やかなデザートを見ると、よだれが垂れてくる。
ま、一度も成功したためしがないんだけどね。
テレビのデザートに夢中になっていると、窓がガタッと音を立てた。
「あれ?」
気になって窓に近づき、カーテンを開けると、外がすごい吹雪になっていることに気づいた。
「わっ、凄い雪!めっずらしー。てか湊くん大丈夫なのかな?」
寒くなって帰ってくるだろうし、お風呂でも沸かしとこうかな。
速足で準備を整えていると、ガチャッとドアが開いた。湊くんは小さな紙袋を持っていて、指先は真っ赤になっていた。
「おかえり湊くん!雪すごくなってきましたね!今お風呂沸かしてますから!」
「…うん。」
湊くんはマフラーもコートも脱がないまま、ソファーに横たわった。
「大丈夫ですか?寒いですか?」
そっと湊くんのそばに行き、顔をのぞき込む。湊くんは薄っすら目を開けたが、また目を閉じた。
「…寒い。しんどい。」
甘えるように聞こえる湊くんのささやきに、私の胸はズキューンと撃ち抜かれた。
~十一話に続く
最後まで読んでくれてありがとう!
やー、看病イベント来ちゃいましたねー。歩実ちゃん血圧上がっちゃうー。
ぜひ、次の小説も読んでみてください!




