表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第一話 出会い

それは、ある暗い雨の日だった。

俺は雨の中傘もささず走っていた。

こんな時、自分の車があれば・・・

いつもそう思う。

そして家の近くまで来たときだ。

俺はふと茂みに目をやる。

そこには朽ちかけている一台の車があった。

「これは・・・」

俺は目を疑った。

それは、もう何十年も前に生産中止となった初代MR2だった。

「こんなところに・・・どうして?」

俺はそのMR2にふと、目を奪われる。

が、帰宅途中ということを思い出し、今日は帰ることにした。

家に帰ると父親が話しかけてきた。

「庄二、今日はちょっと遅かったな。なにかあったのか?」

「うん、ちょっとね。」

「そうか。」

父親はそれ以上聞いてこなかった。

俺は自分の部屋に入り、今日あったことを整理していた。

「あのMR2は一体・・・」

あそこで朽ちかけていたMR2は一体何だったのだろう。

そんなことを考えながら、俺は眠りについた。

翌日、外はすっかり晴れていた。

俺は昨日のMR2のことが気になり、もう一度確認しようと思い、家を出る。

やはり、昨日と同じところにあのMR2が停めてある。

しばらくMR2を眺めていると、父親がやってきた。

「庄二、何してんだお前。」

「父さん・・・」

「MR2か。」

父親はその車を見て言った。

「知ってるの?」

俺は父親に尋ねた。

「あぁ、こいつは俺の古い友人が乗ってた車だ。」

父親はその車を見て言った。

「父さんの古い友人って?」

「今はどこにいるかわかんねぇ。」

そう父親は悲しげな表情で言う。そして父は言った。

「だから今は俺が持っていることになっている。」

「そうなんだ。」

それから父親は俺に言う。

「それで庄二、その車どうしたいんだ?」

俺は答える。

「できれば直して走れるようにしたいな。」

「じゃあやってみろ。お前自身の力でな。」

父親は言った。

「わかった。」

そうして俺はMR2の修理に取り掛かった。

まず、エンジンフードを開けてエンジンを見る。エンジンには大きなダメージはないようだが全体的に錆び、汚れていた。そこで俺はそれらを落とそうと決心した。

とりあえず、ヤスリを買いに行った。そしてガレージに戻り作業を開始する。

エンジンをおろして分解し、錆びを落とし、洗浄していく。

錆が落ちれば塗装もできるだろうと思い、ひたすらに磨く。

「よし、これで大丈夫だろ!」

俺は一仕事終え、一息ついた。

次は車体だ。

錆を落とし、塗装も綺麗にする。色は純正の白を選んだ。

「これで車体は完璧だな。」

あとはタイヤをつければ完成だ。俺は近くの車屋に向かい、AW11用のタイヤを買ってガレージに戻る。そしてタイヤを取り付けた。

「これで完成だ!」

俺はついにMR2を完成させたのだ。

そして、完成したMR2を見て思った。

「やっぱりかっこいいな。」

そう感じた。

それから、俺は毎日MR2に乗るようになった。雨の日も風の日もだ。

そんなある日のことだった。

「おーい!庄二!」

放課後、学校の廊下でクラスメイトの一人である手倉に話しかけられた。

「庄二!聞いてくれ!ついに買っちゃったんだよ!俺のマイカー!」

手倉は嬉しそうに言う。

「で、そのマイカーってのは?」

俺は聞く。

「実はさ、あの話題のインテRなんだよ!」

手倉は目を輝かせながら俺に話す。

「それはよかったな。」

俺はそう答える。

「よし、庄二!今から見せてやるよ!」

手倉が俺に言う。

「いや、でも・・・」

俺が断ろうとすると、手倉は俺の言葉を聞かず、俺を駐車場まで連れて行った。

そこには白のインテグラタイプRが停めてあった。

「どうだ!いいだろ!」

手倉は自慢げに言う。

「うん、確かにかっこいいな。」

俺はそう答える。

すると、そこに俺たちのクラスメイト二人がやってきた。

「あ、庄二だ!」

二人が俺に話しかけてきた。そして続けて言う。

「庄二はなんか車あるの?」

「あぁ、MR2っていう車がね。」

俺は答える。すると、二人が俺に言う。

「じゃあ見せてよ!」

「え?」

俺は聞き返す。

「そう、庄二のMR2!」

手倉は目を輝かせながら言う。

「わかった。」

そんな目をされたら断れるはずがない。

俺たちは家まで手倉のインテRで帰った。

そしてガレージに停めてあるMR2を皆に見せた。

「これが俺のMR2だ。」

そう俺は手倉に言う。

「へぇー、庄二の車ってMR2なのか!」

手倉が言う。そして続けて言った。

「じゃあ行こうぜ!」

手倉が俺に言う。俺は疑問に思った。

「え?どこに?」

すると、手倉はインテRからおりてこう言った。

「首都高に!」

「首都高・・・?」

俺はますます分からなくなった。首都高ってなんで? しかし、手倉はそんな俺を置いていくかのように、車に乗りエンジンをかける。

「ほら!庄二も早く!」

手倉が急かすので俺もMR2に乗る。そして手倉のインテRについていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ