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茅雪サイド


茅雪サイド

私は掃除が苦手で、いつも部屋が汚れていた。乱れた部屋の有様に思わずため息をついた。

「とりあえず晴來でも呼ぶかな」

晴來といえば、幼い頃から私のそばにいつもいてくれた幼なじみだ。私の家事の面倒を見たり、ときには学業の手助けをしてくれたりと、見た目によらず本当に頼りになる存在だった。

しかし、そんな晴來を私は長い付き合いゆえに、当たり前の存在のように思うようになってしまっていた。晴來の親切は有り難がることはなく、むしろ当然の振る舞いだと勘違いしてしまっていたのだ。

私は部屋の中を見渡し、あちこちに散らばった衣類や雑誌、空き缶を見つけると、とりあえず晴來に電話をかけることにした。だが、最初は話し中で全く繋がらなかった。

そして、やっと電話がかかった。

「晴來、助けて、大変なの!!」

母親が亡くなり、父親も不在がちになってから、私が一番に頼りにしていたのは幼なじみの晴來だった。晴來は年上のお兄ちゃん的存在として、私の生活を何かと支えてくれていた。だからこそ、いつの間にか私は晴來を使い込むようになってしまっていた。

「部屋が汚くてさ!ちょっと手伝ってよ」

自分の私利私欲の言葉に、私は少し後ろめたさを感じた。しかし、その一方で「晴來はきっと助けてくれるだろう」と油断していた。今までそうだったから。

しかし、晴來は今回、異例の反発を見せた。

「ひっ... ご、ごめんね... でも、いつも助けてくれるじゃない...」

晴來が今までいつも自分の願いを聞いてくれていたから、これからも同じように付き従ってくれると思い込んでいたのだ。

晴來の怒りは極まっていた。その激しさに、私は狼狽し、萎縮してしまった。今までにない剣幕に、ただただ震えるしかなかった。

「ごめん...この前の告白もちゃんと聞いてあげれば…」

しかし、先程のあれは告白ではないと知る。そっか…紗友莉を大事にしてね…

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