表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼と仔山羊  作者: 藍内
7/9

助けて欲しい

 情けない姿のまま何とか頭だけは働かせようとする。

 ここはどこで、どうしたら元の世界に戻れるのか。

 狼に食べられた人達をどうやって助けたらいいか。(普通に考えたら無理だろうけど、何故か助けられそうな気がする)

 そして何故自分は羊みたいな姿をしてるのか。


結局、何も答えが出ない。僕一人ではどうしようも無いようで、誰か助けてくれる人が必要だ。

しかし、家の中には誰もいない。狼は一人も見逃さなかったようだ、僕をのぞいて。

 外に出ようか考えていると、外から足音が聞こえた。

狼が戻ってきたと思い隠れようとしたが、足音の感じが違うのに気がづいたので、窓から誰が来るのか慎重に覗いてみた。

足音の主は狼ではなかったが、人間でもなかった、また羊だった。ただ、今まで見た羊の中で一番大きい。右手に青い手提げを持っていて、落ち着いた雰囲気をしている。

助けてくれるかどうか解らないが、狼みたいに食べられる事はないだろうと思い、その羊に助けを求めた。

僕が家からいきなり飛び出した所為か羊はとても驚いていたが、事情を説明すると協力してくれた。元の世界に戻すのは無理だが、食べられた人を助けるのは、急いで狼を探せば大丈夫だそうだ。探す時に狼に食べられそうになっても、その狼は足が遅いから走って逃げれば大丈夫だ、とも言ってくれた。

 二人で探すと狼はすぐに見つかった。狼は家の近くの湖で眠っていた。

どうやって助けるのか羊に聞こうとすると、羊は何も言わずに手提げから刃物を取り出し、狼の腹を問答無用で切り開いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ