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20「対峙」

無事に娘と帰宅出来た。

娘の側に居てやりたかったが、私には今回の件も含めて真実を問い質す責任と使命がある。

娘に仕事があるからと伝えて家を出た。

山崎に電話すると「修徳大学附属病院で待っています。受付に話を通しておきます」と返事があった。

修徳大学附属病院の受付で記者の伊達だと伝えると応接室に案内された。

「何か飲み物をお持ちしましょうか?」

「では、ホットコーヒーをお願いします」

部屋で待っていると山崎が現れた。

「お待たせしました、娘さんが無事に退院出来て良かったですね」

「山崎さん、色々と助けて頂き有難う御座います。いや、今井さんと呼ぶべきでしょうか?」

「やはり、豊梨病院に関わると碌な事がない。多くの不手際と身勝手な暴走には呆れていますよ」

「前回の宮本修吾君の件と今回の娘の件について記事にするつもりです。ご協力頂けますか?」

「さぁ、何の話でしょう?宮本修吾君の件は無償の臓器提供と言う事で決着しています。貴方の娘さんも暴漢に襲われて豊梨病院に入院し、治療が行われただけですが他に何か?」

「修吾君の臓器移植には金銭の見返りがあったと言ったのは貴方ですよ?」

「私がそんな事を言いましたか?作り話も甚だしい。誰もそんな話を信じませんよ」

「看護師の太田由美子の証言もあります。中村医師への報酬やレシピエントの情報もありますが?」

「太田由美子は金銭については何も知りません。レシピエントの方も金銭の授受は認めないでしょう。勿論、医療関係者は誰も認めませんよ。いつ誰から医療訴訟を起こされるか分からないこのご時世に、同業者の不利益になる証言をする医療関係者は何処にも居ません」

「隠し通せるとお思いですか?」

「隠すも隠さないも、本当に何も無いんですから。他に何か聞きたい事がありますか?無ければ少しお話ししませんか?」

「何の話でしょうか?」

「貴方が過去に望んだ事が実現出来る日が来るかも知れません」

「私が何を望んだと言うのですか?」

「貴方が心の底から望んだ事です。それは、これからお話しします」と言って彼は話を始めた。

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