表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

13「打算」

私の泊まる部屋で伊達の取材報告を受ける。

太田由美子の身内に臓器移植の待機患者が居た事は初耳だった。

やはり、豊梨病院に手術に関わる人選を任せたのは失敗であった。

悔やんでも後の祭りだが、豊梨病院での臓器移植手術に対して違和感と不満を抱えていた太田看護師が臓器移植ネットワークに密告した事で露見してしまったのである。

しかも、修徳大学附属病院の中村医師の名前まで伊達に伝えていた事には驚いた。

宮本のDVの件は不明な様子であるが、このまま伊達に取材を続けさせると宮本のDVを掴んでしまい、取材内容の類推から臓器売買と解釈され、挙げ句の果てに三浦一族にまで取材の手が届いてしまった場合には全てが水泡に記す恐れがある。

やはり、この期に及んでは豊梨病院と中村医師には泥を被って貰おうと思う。

全ては、宮本のDVとリンクされて三浦一族への取材による金銭の授受に絡む実名報道を避ける為である。

金銭の授受はこの際認めてしまおうと思う。

豊梨病院と中村医師の得た報酬を伝えて、宮本への金銭の授受は本人の望んだ事ではないとの認識を伊達に植え付けておこうと思い此方に都合の良い話だけを伝えておく。

その上で、これ以上の取材は控えて貰えないかと持ち掛けた。

医療関係者同士の内輪の話が多く、これ以上の取材は私個人としても不利益しかないと訴え掛けた。

伊達から「臓器売買と取られても仕方がない」との指摘を受けたのを心に留めておく。

伊達と別れた後で豊梨病院に電話をして、臓器移植ネットワークからの厳重注意で事態の収拾を図る旨を伝え了解を得た。

暫く、私自身の理想の未来の実現は棚上げして世間の動向を様子見する事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ