表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/25

⑩「謀略」

車から体格の良い二人組が降りてきて伊達の前後を塞いだ。

伊達の前にいる男が殴り掛かり伊達が防御姿勢を取ろうとした際、後ろに立つ男が棒状の武器を伊達の後頭部に振り下ろした。

倒れた伊達を車に押し込み走り出した車を追って私も車を走らせた。

解体途中の建物の前で車が止まったので、少し離れた場所に車を停めて今後の対処を急ぎ考えた。

周りを見廻すとボーリング場が見えたので、これは使えると思い近くにあった公衆電話から警察に電話する。

勿論、指紋を残さない様に手袋をするのは忘れなかった。

「喧嘩です!!豊梨町のボーリング場の駐車場で暴走族同志が喧嘩してます。私は怖いので離れた所から電話しています。早くしないと怪我人が多数出ています」と告げて電話を切った。

急いで解体途中の建物に入り、人の気配を探りながら歩を進める。

何か声が聞こえたので、その方向に向かうと伊達がチンピラ三人と対峙しているのを見付けた。

伊達が蹴られそうになったので「止めな!!」と声を掛けた。

三人が此方を向いたので、警察を呼んだ事を告げるとタイミング良くパトカーのサイレンが聞こえて来た。

チンピラも私の考えを察知して足早に退散していった。

伊達に肩を貸して自分の車に乗せて走り出した。

伊達が自己紹介してきたので、今後の事を考え山崎と名乗っておく。

自分の宿泊するホテルの部屋に招き入れ、どうやって懐柔するか思案しながら話を進める。

宮本の身形から金品の授受を疑っている伊達の矛先を変えるべく、密告者の太田由美子の名前を出して取材協力を依頼した。

敢えて共闘という立場を作って伊達の知り得た情報を提供して貰い、今後の対策に役立てる事にした。

此方の情報は小出しにして伊達が何処まで踏み込んで来るのか、お手並み拝見である。

伊達が部屋を出て行った後で宮本に電話する。

「お前の不手際の対処には苦労したよ。今後は目立たない様に注意する事だな」

「分かりました。DVの件は如何でしょうか?」

「伊達には他を当たって貰う様に頼んだので、お前のDVの件も探られる事は無いだろう。児相も藪蛇になるのを恐れて何も言わないだろうから安心しろ」と言って電話を切った。

私が主役となる理想的な未来の秩序への道のりを、これ以上邪魔される訳にはいかないと改めて決意した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ