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暗闇
どうも明るくていけないな
見えちゃいけないものまで見えるようになって
こうも明るいとまいったな
まるで白昼夢のざわめきのようじゃないか
ネオンも外灯も
恥じらいも嫌悪も
眩しくていけないな
そして追ってくるのは赤色灯だけ
そんなに暗闇がお好きなら
夜の帳に染められるといい
きっとそのうち怖さも忘れて
あの人の声も風に乗ってやってくるんだろうさ
もう少し もう少しだけ
目を慣らして行こう
透明なものが形をなしていく
昔の人が聞いていた深淵の輝き
瞬間を追い求めて