プロローグ2
「ここ、どこなんだ?」
薄暗い部屋の中をみても記憶とは全く繋がらない。
ベッドのそばにランプのようなものがのったテーブルと椅子、古そうな本が並ぶ本棚。
窓から光は入っているがすりガラス?のせいか外の景色は見えない。
ベッドの側に自分の鞄と靴を見つけて履く。ドアに近寄って耳を澄ますが人の気配は感じないのでそっとドアを開けてみる。廊下かと思ったら居間と土間が続きになったような作りの場所だった。
「誰かいますか〜〜?」
返事は無い。土間の先にある扉から外に出れそうだ。しょうがないから外で誰かにホテルまでの道を聞こうと思って扉を開けるとそこには深い森が広がっていた。
「うーん、とりあえず一服」
どう考えてもおかしい。
タバコを吸いながら思う。確かに地方だけどビジネスホテルのあるような小都市で、繁華街の飲み屋とホテルは歩いても数分の距離だったはずだ。
こんな森が近くにある様な場所じゃない。それに自分の地元も田舎で山や森もすぐ側にあったけどなんか雰囲気が違う。一体どうやってどこだかわからないここに来たのか見当もつかない。
ふと思い出したかの様に携帯を見ると当たり前の様に圏外だった。
「ちょっと訳わからな過ぎて笑えてきた」
一旦ベッドの部屋に戻り、本棚の本を見る。良くわからない文字で書かれた表紙の中に一冊、日本語を見つけた。
『異世界見聞録』
マジか???