第9話 野宿
ブックマークありがとうこざいます
「んーとっ、何かしてもらう事あったかな?じゃあ俺のすること見といて。冒険者になるんなら必要になるし」
「はいっ!わかりました」
私はそう答える。
「じゃあ何からするかな…うんやっぱり風呂だな風呂」
お風呂?冒険ってそのまま地べたで寝たりするんじゃないのだろうか。
準備されたテントを見て思う。
テントってキャンプか!
まぁ地べたで寝たい訳ではないので良いとするけれど。
「お風呂って野宿で準備するものなんですか?」
「普通は無いと思うよ、でもやっぱ冒険したりして汗かくと風呂に入りたくなるじゃん?」
ふーんそんなものなのか
この言い方なら他の冒険者もやる人はやるのかもしれない。
「どんなお風呂を準備するんですか?ドラム缶風呂とか?」
「露天風呂だ。」
露天風呂?温泉とかの?
「いや、どうやって準備するんですか!」
冒険で露天風呂は無いでしょ?
私はそう思った。
「それを今から見せようとしてんじゃんか」
ちょっとプクーと頰を膨らませるユーマ
「それはそうですけど」
露天風呂は流石にないと思う。
「俺が嘘ついた事ある?」
「今日初めて会ったから知りませんよ…」
「うん、それもそうだね」
はっはっはと笑う少年。
「まぁ見てて」
ユーマさんは地面に何かを書き始めた。
何かキラキラと光るチョークのような物だ。
それで幾何学模様を描いていく
時々あれこっちだったけ?まぁいいかとか
ん?ここはどうするんだったけ?まぁいいかとか不穏な呟きが聞こえてくるが無事に完成したらしい。
「これでオーケーだ。後は魔力を流すだけだな。なっ?簡単でしょ?」
「いや全然簡単じゃありませんよ。」
あり得ない程複雑な模様をみてそう答える。
魔力を流すと言っていたがそれもよくわからない。
ユーマさんは幾何学模様に手を当てる。
模様が青く光り輝く。
光りが消えるとそこには岩で囲まれ、湯気が立っている水が…
「温泉だ…」
私は呟く。
ユーマさんは私を見てニヒーと笑っている。
自慢げな様子だ。
しかし私には気になる事がある。
「あの柵とか無いんですか?」
これじゃ入っているところが丸見えだ。
「あちゃー、いつも一人だから忘れてた。ちょっと待ってて」
そう言ってまた何か描き始めるユーマ。
温泉を囲むように描いた後また手を当てる。
光り輝いた後そこには見事な柵が現れる。
すっかり温泉宿の温泉だ。
「俺は結界張っとくから先入っていいよ」
私は温泉に心奪われてたので入る事にする。
結界ってなんだろうという疑問も温泉の魅力には敵わなかった。
「はい、風呂桶とタオル」
またもや魔法の世界らしからぬ物を取り出すユーマ。
あのポケットにはどれだけの物がはいっているのだろうか…
まぁいいか、温泉だし
ふと思い出して言う。
「覗かないでくださいね」
そう、私女の子だったのだ。
男の人と二人きりで風呂に入るのはちょっと何か気まずいものを感じる。
ユーマさんはキョトンとしてから言った。
「ないない、覗くなって言われたら覗きたくはなるけど
お前の裸にはキョーミねーし。」
それはそれで傷付く…が覗きはしないという事なので私は温泉に入る事にした。
少しの間こちらの更新はお休みさせていただきます。
ブックマークを外さないでくれると幸いです。
理由はもう少しこれから先の話を考えたいのと
もうひと作品の方を優先したいからです。
どうぞそちらの方もよろしくお願いします。
絶対続きは書くのでそれまで待っててください!