第4話 私の大ピンチ!
敵が現れました。
大ピンチです。
「キシシシシ、嬢ちゃん逃げるつもりか?」
私の背後、いや上から声がきこえてきた。
私は体を捻り声のきこえてきた方を見る。
そいつは空を飛んで私を見下げていた。
悪魔だ。そう直感した。
蝙蝠の様な翼に、黒い肌。私と同じ赤い目だが、
その赤は血の色をしている。
体にはゴツゴツトゲトゲした鎧を身に纏っている。
顔はイケメンではあるが表情はニヤっと笑い、その顔を台無しにしている。
「キシシシシシ、いい度胸じゃねーか逃げれるものなら逃げてみな?」
その悪魔はそう言うと、手から炎を出し
「ファイアーバットズ!」
そう大声で叫ぶ。その途端炎は蝙蝠を模した炎の玉となつて分裂し、数匹が悪魔の周りを飛びはじめた。
にげないと…そう思ったが体が強張り、うまく動かない。
「くらえ!」
悪魔は更に叫ぶ。
火の蝙蝠達の一匹が私に向かってくる。
私は動かない体をなんとか動かし避けようとした。
蝙蝠が私に急接近、体当たりをしようとする。
「くっ!」
私は目を瞑り体を竦める、すると私の重心が前に傾いた。
それまで浮遊して動かなかった箒が前へと進んだ。
「きゃっ!」
急発進したので、悲鳴か出てしまう。
蝙蝠は私の頰を焦がし通り過ぎた。
熱い、これは本物の炎だ。
箒が進まなければ直撃していただろう。
頰が痛みを訴えている。やけどだ。
この痛みも本物だ。
これは本当にゲームなのだろうか、
そんな事を思わず考える。
「キシシ、そう来なくちゃな。そうだ逃げろ逃げろ!そして俺様を楽しませろ!」
悪魔が言った。
私は必死で逃げる。体重をまえにかけ出来るだけスピードを出す。炎の蝙蝠達が追いかけてくる。
その蝙蝠達は私の肩や足、箒を掠める。
炎が近くたび、私は熱さと痛みを感じる。
箒を炎が掠めるが火はつかない。
それを見たのか悪魔が
「おお?いい箒じゃないか、これじゃお前の方が持たないな、キーシシシっ」
私はそれには答えず、箒を走らせる。
腕のやけどをチラリと見ると血が出ている。
そこに風が吹き、更に痛みを大きくする。
私は全身の痛みに涙目になりながらも逃げる
あと蝙蝠は3匹だ。
どうにか避けて逃げなければ。
私は背中に突撃してくる、火蝙蝠を
箒に右に体重をかけ曲がって避ける。
「キシシシシ、やるじゃないか。どこまで持つかな?」
「イッタぁー、これじゃ逃げ切れない」
もう頭の回転も落ちてきた。思った事が口にでる。
私は決断した。
そして最後の蝙蝠を避け
私は後ろを振り返る
「キシっ?なんだ?なにをしてくれるんだ?」
悪魔は少し戸惑いを見せて、止まった。
「くらえ!」
今度は私の番だ!
悪魔は私のイメージで出してみました。
執事服を着せても良かったのですが
この悪魔は荒々しい感じが好きなのです。
次回、師匠現る!です。