下された人外宣告
気がつくとまた布団の中だった。窓から月の光が差していて、今がもう夜であると分かった。
お母さんとお父さんだと発覚した後、お母さんは、私をご飯に連れていくために抱っこしていたらしく、そのまま3人でご飯を食べる部屋に移動した。
移動していてわかったことだが、あの部屋だけでなく全ての部屋が和室のようで、しかも、何室あるんだ!?という程あり、庭は広い和風庭園だった。つい、ここはどこの旅館だ!?突っ込みたくなり、「あうあう!!」と騒いでいたら、お母さんからは
「そんなにお腹すいてたのね〜。すぐご飯にしましょうね。」
とたしなめられ、お父さんからは
「真白は食いしん坊だな〜」
と笑われてしまった...。違うのに!
その後は3人で晩御飯を食べた。私に出されたのはやはり和食で、ご飯と味噌汁とおかずを少しずつだった。ご飯が普通の硬さだったことから、今の私の年齢は1歳なってるかなってないかぐらいだろうと予想したところで記憶が途切れていた。どうやら、赤ちゃん特有の、ご飯を食べながら寝る能力を遺憾無く発揮してしまったようだ。
布団に入れられるまでとことを思い出し、私はこれからの事を考えた。おそらく、私は前世で死んだのに今ここにいることから転生したと思って間違いはないだろう。転生か...本で読むのに関しては大好きだったけれど、いざ自分に起こってみるとどうにも実感がわかない。それに、だいたい本では、神様の手違いで死んだ主人公が神様からお詫びにチートな能力を貰って無双するのがお決まりのはずなのに、私は神様と会ってもいないし、ましてやチートな能力など貰ってもいない。どうゆことだ!!それとも、やはり物語は所詮物語で、現実の転生とはこういうものなのだろうか?そんなことを考えていると段々虚しくなってきて、私はふて寝したのであった...。
その次の日、夕ご飯の時と同様にお母さんに連れられ朝ご飯を食べたあとに、お母さんとお出かけすることになった。和風和風と続いていて察したかも知れないが、着るものもやはり和風=着物である。ということで、お母さんによそ行き用の着物に着替えさせてもらい、初めての外いざ、しゅっぱーつ!!
と、お母さんに抱っこされながら意気揚々と出発した。やはり、町並みも和風で時代劇で見たような風景が広がっていた。そこまでは予想の範囲内だった、しかし、次のものを見た瞬間私の思考はストップした。その見たものとは、首が異様に長い人、目が一個しかない人など、人ではないと思われる者が店でモノを売ったり、買ったりとしている所であった。
私は驚きすぎて、気がついたら必死にお母さんに首の長い人や目の一つしかない人などを指さし、「あうあう!!」と叫んでしまっていた。それを見たお母さんは、
「あの人たちは、ろくろ首の真知さんと、一つ目の菊さんよ。あの2人が気になるの?」
と、当然のように返してきた。それを聞いて、私は一瞬理解が出来なかった。ろくろ首や一つ目って、あの、よくお化け屋敷とかで出てきたヤツだよね?えっ?何でいるの?架空の者じゃなかったっけ!?と、私が混乱しているとさらにお母さんが、
「ちなみにお母さんとお父さんは雪女と雪男よ。だから真白も雪女ね〜。」
と、爆弾発言を投下した。それを聞いた瞬間、転生して2度目のキャパオーバーがおき、また私は、意識を手放したのでした。
2話まで読んでいただき有難う御座います。
まだ続く予定ですので、気が向いたら読んでやって下さい。
どうぞよろしくお願いします!