3話 進化!そして一階層
次の日。
目覚めは最高だった。
既に空は明るくなっている。
やっぱり腹は空いてないので、とりあえず縁側に移動する。
「さて、今日は何をしようか。迷宮一階層を造る為のDPはあるし、後は魔力の訓練か?あ、そういえば、まだ把握の章を確認してなかった」
あんだけのゴブリンを虐殺したんだし、流石にLvも上がってるだろ。
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参の章 把握の章
『ジンリ・リューロー』『0歳』
『種族|刃魔[変異個体]』«Lv1»→«Lv15»▼
『職業|迷宮主+侍』
『所持スキル』
<種族スキル>[鬼刃]
<職業スキル>[迷宮核][見切り]
<固有スキル>[龍炎]
<特殊スキル>[演算][高速思考]
<通常スキル>[刀術][体術]
『保有称号』
[殲滅者]
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「ん?確かに上がってるけど、隣になんかついてるな。なんだこれ」
そのマークを触ってみると、ページに浮かんでいる文字が、俺のステータスから『進化可能名簿』に変わった。
「進化可能名簿?下に並んでるのは、魔物の名前か。もう進化出来るって事か?早すぎる気もするが、あれだけの事をしたんだから、当然な気もする……」
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参の章 把握の章
『進化可能名簿』
<通常進化>『刀鬼[変異個体]』
<特殊進化>『迷宮刃』『炎刀龍』
<固有進化>『刃戦鬼』
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参の章 把握の章
『刀鬼[変異個体]』
説明|刃魔の通常進化先。普通は刀の様な角があるが、この個体は無い。普通は5m程だが、この個体は人間と同じ姿をしている。手を刀に変化させられる。
『迷宮刃』
説明|人間と同じ姿をしている。自身の迷宮内での戦闘に特化していて、迷宮の中ならどこからでも、無尽蔵に刃を出現させ、操れる。
『炎刀龍』
説明|蛇の様な身体をした龍。自身の身体を、燃える刀に変化させられる。その刀は、柄が龍の形になっている。
『刃戦鬼』
説明固有魔物。人間と同じ姿をしている。手を刃に変化させられる。戦闘に特化していて、身体の動かし方や戦い方が感覚で分かる。
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「あー、全部凄そうだなどうするか………」
刀鬼は他のに比べると見劣りするからなしになるかな。
他の三つは全部強そうだけど、迷宮刃は無いかな。
迷宮の中だけ強いんじゃやってけないだろうし。
炎刃龍は、人型じゃ無いのがなぁ。
やっぱり、元は人間だったからか、せめて人型で居たいんだよな。
「となると、進化するのは刃戦鬼かな。一番強そうな奴だし、これで良いだろ」
早速、刃戦鬼をもう一度触って、進化する。
刃戦鬼の文字を触った途端、迷宮核の書が光を放って、数秒すると消えた。
「もしかして、これで進化出来たのか?」
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参の章 把握の章
『ジンリ・リューロー』『0歳』
『種族|刃戦鬼』
『職業|迷宮主+侍』
『所持スキル』
<種族スキル>[戦刃][戦鬼]
<職業スキル>[迷宮核][見切り]
<固有スキル>[龍炎]
<特殊スキル>[演算][高速思考]
<通常スキル>[刀術][体術]
『保有称号』
[殲滅者][戦の天才]
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「進化出来たみたいだな。多分、色々なスペックが上がってるんだろう」
それは後で戦闘中に確認するかな。
「次は職業か。侍ってのが増えてるな。どんな効果があるんだか」
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参の章 把握の章
『侍』
説明|刀の扱いに優れた戦闘のプロ。防御よりも回避を優先した、紙一重の戦い方を好む。刀の扱いが上手くなり易くなる。
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「刀の扱いが上手くなり易くなる、か。俺の刃は刀の形をしてるし、刀術も使うから結構有用そうだな」
次はスキルだな。種族スキルと職業スキルに新しいのが増えてるな。
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参の章 把握の章
[戦刃]
説明|手を刃に変化させられる。より戦闘に適した、斬れやすい形状をしている。壊れる事は無く、斬れ味が劣化する事も無い。
[戦鬼]
説明|身体能力を一時的に大幅に増加させる。使用後は、大きな脱力感に襲われる。使用中は、額に角が生える。
[見切り]
説明|動きを見切るのが上手くなる。攻撃を回避しやすくなる。反射神経が上がる。
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「戦刃は鬼刃の強化版みたいなもんだな。戦鬼は一時的な強化スキルか。見切りは、侍の戦い方にぴったりなスキルだな。だから職業スキルなんだろうが」
てか、この世界の人に反射神経って分かるのかな?
まあ、俺は分かるから別に良いんだが。
「じゃあ、後気になるのは保有称号って奴だよな。二つあるみたいだけど、称号ってどんな効果があるんだ?」
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[殲滅者]
説明|一撃で百以上の数の生物の集団を殺し尽くした者。多数を相手の戦闘時に戦闘力に補正がかかる。
[戦の天才]
説明|戦闘に関して類いまれなる高い才能を持つ者。戦闘に関して、有効な事を閃く様になる。
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「殲滅者……ゴブリンの虐殺が原因か。効果は有用そうだけど。戦の天才の方も、これからかなり役に立ちそうだな」
これで一通り確認は終わったかな?
じゃあ、次は…………。
「迷宮、造ってみるか」
迷宮の章を開いて、階層の構築を選ぶ。
すると、文字が消えて、新たな文字が浮かび上がってきた。
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伍の章 迷宮の章
・階層の種類
・階層の罠
・階層の明かり
『構築完了』
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「成る程、こうやって階層を造ってくのか。最初は迷宮の種類か」
これは、日本みたいな森で良いかな。
この階層は知能がある魔物達の住む場所にしたいし。
それっぽいのは………あった。
和の森か、絶対にこれしかないな。
「次は階層の罠か。配下の魔物が住むんだから、罠は要らないな。明かりは、この核部屋と同じ様に、外の空と連動させておこう」
これで良いかな。
俺は構築完了の文字に触れる。
すると、進化の時と同じ様に迷宮核の書が輝き、数秒したら消えた。
「これで一階層が出来てる筈だよな。行ってみるか」
俺は庭の池に入る。
すると、外と一階層のどちらに移動するのか、選択肢が頭の中に浮かんできた。
俺は一階層を選択して、歩みを進める。
すると、頭が水面からでて、そのまま進むと、全身が出られた。
周りは森だ。
種類は分からんが、日本の木に見た目が似た木々が立ち並んでいて、目の前だけ、道の様に木が無いスペースが作られていて、枝がアーチの様になっている。
後ろを振り向くと、岩の壁だった。
そこには、小さな泉に小さな滝から水が流れている。
しゃがんで手で泉に触れてみるが、水に濡れはしない。
やはり、これは庭の池や外の扉と同じ、階層移動用のワープするものみたいだ。
「まあ、まだ魔物も産み出してないし、確認していくか」
俺は目の前に伸びていた森の中の道を歩き出した………。
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あれから数時間後。
この階層を全て歩き終わった。
途中で迷宮の章で確認すれば良いと分かったが、そこからはもう意地だ。
この階層は、全て森という訳では無く、真ん中辺りが草原の様になっていた。
草原を囲う様に森がある感じだな。
「問題は無さそうだな。核部屋に戻って、魔物を造ってみるか」
てな訳で、核部屋に戻り、縁側に座る。
「えーと、迷宮の章で魔物の産出を選んで。あれ、知能がある魔物と無い魔物の二つが作れるのか」
知能のある魔物は迷宮核の書から直接出てきて、俺の配下になるみたいだ。
まあ、あんまり無茶させまくると、迷宮から出ていってしまうみたいだが。
知能があるからこその弊害だな。
知能が無い魔物は迷宮の中に産み出されるみたいだ。
こいつ等は俺や俺の配下にも襲いかかってくるみたいだ。
知能が無い弊害だな。
その代わり、知能が無い魔物は迷宮から外に出ていく事は無い様だ。
とりあえず、この階層は魔物の産出は無しにしておく。
「じゃあ、魔物を造るか。どんな魔物が造れるのかなー」
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伍の章 迷宮の章
『生成可能魔物名簿』
<低級魔物>
・ウルフ
・ゴブリン
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「あれ、これだけか?ん?この二つって、俺が倒した事のある魔物だな。もしかして、俺が一回でも殺した事のある魔物じゃないと、造れないのか?」
問答の章で聞いてみたが、やはりそうらしい。
つまり、種類を増やすには俺が魔物を一杯倒さなきゃいけないみたいだ。
「仕方ない、行くか。ウルフとゴブリンだけ造っても、出来る事は少ないし……」
俺は一階層の扉から、外に出た。