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プロローグ|転生準備|


 (あれ?ここは……何処だ?)


 真っ白で果ての見えない空間だった。

 俺はこんな所に来た記憶は一切無い。


 「誘拐?いや、俺は確か学校で寝てた筈だからそれは無いか。じゃあ、何で…………ん?」


 俺が考えていると、地面?に落ちている封筒が目に入った。


 「何だ、これ、俺宛?えー、何々?」


 俺は封筒を手に取り、中に入っていた手紙を読む。


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龍廊(りゅうろう) 刃璃(じんり)

 この度、この様に手紙でお伝えする無礼をお許し下さい。

 貴方は数多くの死者の中から異世界への転生の権利が与えられました。

 貴方の死因は、頭部を強打された事による失血死です。

 犯人は担任の教師。

 普段のストレスで苛ついていたところ、丁度授業中に寝ていた貴方を見つけ、注意と八つ当たりで殴ったが、当たり所が悪く、死亡。

 以上が、貴方が死に至った事実となります。

 貴方の魂は死亡した後で天界に運ばれ、神様方による、余興のダイスで選ばれました。

 この手紙を読み終えると、パソコンと机、椅子がそちらに転送されます。

 詳しい手順はそちらにありますので、どうかご健闘をお祈りしています。

転生者担当天使、パラパーより


〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆


 「えっと、俺、死んだの?そんな理不尽な理由で?マジで?」


 あまりの衝撃に頭が追いつかない。


 「まて、一回落ち着くんだ。まず、俺は死んだ、らしい。実感は無いが。で、この手紙を読んだ限りだと、俺は運良くもう一度生きる権利が与えられた、と。そういう事か」


 あー、成る程ー、そういう事かー。


 「って、意味わかんねぇよ。死後の世界ってあったのか。って、うわっ!?」


 俺が意味不明な状態に肩を落としていると、手紙が急に燃え上がって、あっという間に燃え尽きた。


 「ああ、そっか。じゃあ、ここにパソコンとかが来てる筈……あった、あれか」


 周りを見渡すと、確かに書かれていた通りの物が現れていた。


 「確か、あれに詳しい手順が書いてあるんだよな」


 俺は椅子に座り、パソコンの電源をつける。

 すると、ブゥゥンと音がして、パソコンの画面に文字が表示された。


 「『これより、転生の準備を始めます』か。じゃあ次、っと。えーと、『貴方の転生先を決定します。ランダムで決定されます。マウスの右をクリックして下さい』ねぇ」


 転生先か……これって、結構大切じゃないか?

 ひょっとしたら、これで転生後の人生が決まっちゃうかも………。


 「良いの当たってくれよー」


 俺は願いを込めて、クリックする。

 ドゥゥゥルルル、ドン!

 ドラムロールがなり、パソコンの画面に新しい文字が出てくる。


 「『貴方の転生先は、迷宮主(ダンジョンマスター)に決定しました。次のページは、迷宮主の説明になっています』か……。次のページか」


 俺は次のページを開く。


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迷宮主(ダンジョンマスター)

 ・迷宮主の姿は、迷宮(ダンジョン)によって様々である。

 ・迷宮主は、迷宮核(ダンジョンコア)を担っている。

 ・迷宮主は、迷宮を好きに作り替える事が出来る。

 ・迷宮主は、迷宮内に魔物を産み出す事が出来る。


用語説明

迷宮主(ダンジョンマスター)

 迷宮の主。迷宮を発展させ、成長させる事が使命。迷宮の魔王。

迷宮(ダンジョン)

 世界各地に存在する、不思議な場所。一番奥には、迷宮の主、魔王がいる。魔物が産み出され、宝箱も産み出される。

迷宮核(ダンジョンコア)

 迷宮を担う、大事な存在。迷宮を好きに作り替える事が出来、無くなると迷宮が無くなる。


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 「ふむ、やりようによっては、良さそうだな。まあ、上手くいくかどうかは、分かんないけど」


 まあ、決まっちゃったんだから、頑張るしかないよな。

 じゃあ、次だ。


 「『貴方の転生後の種族を決定します。ランダムで決定されます。マウスの右をクリックして下さい』か。種族、か。人間じゃ、無いかもしれないのか。せめて!人型であります様に!」


 先程と同じ様に、ドラムロールがなる。

 種族は………。


 「『貴方の転生後の種族は、刃魔[変異個体]に決定しました』か。刃魔?何だ、それ。次のページっと」


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魔物・鬼族希少種『刃魔』[変異個体]

 ・鬼族に属する全体個体数が少ない、希少種に認定される魔物の変異個体。

 ・普通の刃魔は額に刃の様な角を生やしているが、この変異個体は角を生やしていない。

 ・手を刃に変える能力を持っている。

 ・身体の強度は、とてつもなく硬い。

 ・普通の刃魔は3mの巨体だが、この変異個体は175cm位の細身で筋肉質な身体をしている。


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 「おぉ!かなり強そうじゃないか。生き残れる可能性が少し上がったな」


 人型なのも良い。

 これなら、違和感なく動かせそうだ。


 「次は、『貴方の取得する固有スキルを決定します。次のページは貴方の現在所持しているスキルになっています』か、成る程。じゃあ、次のページはっと」


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現在の所持スキル

種族スキル|[鬼刃]★★★★★

職業スキル|[迷宮核]★★★★★

特殊スキル|[演算]★★★☆☆[高速思考]★★★★☆

通常スキル|[刀術]★★☆☆☆[体術]★★☆☆☆


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 「ん?意外とスキル持ってるな。鬼刃は刃魔になったからだろ?迷宮核は迷宮主になったから。演算と高速思考は………まあ、確かに頭は良い方だったけどなぁ。刀術と体術は、多分、小さい頃に少しやってたからかな。これ、説明見れないのかな………あ、出来た」


 俺はスキルの説明を順番に見ていく。


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[鬼刃]★★★★★

説明|手を刃に変える。その刃は壊れる事は無く、切れ味が鈍る事も無い。刃の性能は、使用者の基礎能力によって変化する。

[迷宮核]★★★★★

説明迷宮の中で、DP(ダンジョンポイント)を使って様々な事が出来る。

[演算]★★★☆☆

説明|頭の中で、先の事まで考えられる。

[高速思考]★★★☆☆

説明|高速で思考が働く様になる。

[刀術]★★☆☆☆

説明|刀を扱い易くなる。

[体術]★★☆☆☆

説明|体を扱い易くなる。


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 「うん、やっぱり便利そうだな。じゃあ、次のページはっと」


 俺はマウスを操作して、次のページに進む。


 「『スキルは星の数が多い程レアで、最低が一つ、最高が五つになっています。得られる固有スキルは一つです。次のページのリストから選んで下さい』ね。次のページ」


 俺は次のページに進む。

 そこには数多くのスキルがズラリと並んでいた。


 「うわ、多すぎるな。あ、検索して絞り込みが出来るみたいだ」


 えーと、俺が欲しいのは…………嘘が分かるスキルかな。

 迷宮だから人からは襲われるだろうし、それでも、人とは出来るだけ友好に接したいからな。

 じゃあ、それで検索して、っと。


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[看破]★★★★☆

説明|見破るスキル。ステータスを見る事が出来、嘘もなんとなく分かる。

[虚偽理解]★★★★★

説明|虚偽に気づき、その虚偽の内容まで理解出来る。


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 「二つか。看破はステータスも見れるバランス型、虚偽理解は特化型だな。うーん、どうするかなー」


 ステータスか、見れたら便利かな?

 でも、嘘はなんとなく分かるだけらしいし。

 虚偽理解は嘘の内容まで分かるんだよな。


 「よし、じゃあ虚偽理解で」


 俺は虚偽理解をクリックする。


 「『[虚偽理解]が選択されました。全ての準備が終了致しました。これより、転生を開始します。是非、お楽しみ下さい』って、え?」


 その瞬間、奇妙な浮遊感を感じ、俺の意識は強制的に闇へと引きずり込まれた。



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