第二話 ???
「おい…トーマ」
んっ…何だ…
「トーマ、起きろ」
「…誰?」
「何寝ぼけているんだ。クレイズだよ。クレイズ」
「クレイズおじさん…」
「そうだ。起きろ。こんなとこで寝てたら風邪引くぞ」
「ここ…どこ?」
「公園だよ。公園。自分で寝てそんなことも忘れたか。」
「公園?」
「ハァ…寝ぼけすぎだろ…。仕方がない。俺が渇を入れてやろう」パシーン
「うっ…」ガクン
「ハッ…!しっかりしろトーマ!俺がやりすぎた!おい!」
「…うん。何とか大丈夫みたい。」
「なら良かった。もう、夜も遅い。俺が送ってやるから帰るぞ。」
「うん。」
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「それにしても、何であんな所で寝てたんだ?森に落ちたら危ないぞ?」
「それが、よく思い出せないんだ。ビン達と喧嘩してたのまでは覚えてるんだけど…」
「喧嘩してたか…しかし、負けて気を失ったとは思えないな。」
「えっ、何で?僕、ビン君に勝ったこと一回も無いよ?」
「お前に外傷が無いからな。左の頬以外にな。」
「これはおじさんがやったんでしょ。」
「はははは、すまんなぁ」
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「ただいまぁ」
「トーマ!あなた遅かったじゃない。こんな時間まで何を」
「ご…ごめんなさい。」
「そいつは公園で寝てたのさ」
「あら、クレイズじゃない」
「よぉ、姉ちゃん。久し振り」「ホント、久しぶりね。…あの日以来かしら?」
「あぁ…そうだ…。すまない。俺のせいで義兄貴が…」
「そんな、何年も前の事何時までも気にしないで…あれは、仕方がないでしょう?」
「でも、あの時俺が…」パシーン
「しっかりしろクレイズ!男だろ?」
「…すまない。姉ちゃん。」
「それで、いきなりどうしたの?数年ぶりに顔を出して?まさか、トーマを偶然見つけたがらってだけじゃないでしょ?」
「あぁ…ちょっとな。西に行くことになってな。しばらく村を離れるようなんだ。今、会っておかないと、本当に会えなくなってしまうと思ってな。」
「そう。クレイズ、あなた今日は泊まっていきなさい。まさか、今すぐ出発ってわけでは無いでしょ?」
「あぁ。出発は3日後だ。本当に、すまない。姉ちゃん。」
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「夕食美味しかったね♪」
「…なぁ、トーマ」
「なぁに、おじさん?」
「…いや、何でもない」
「???」
「本当に、何でもないんだ…」
「…」
「…」
「ねぇ、おじさん」
「何だ?トーマ」
「さっき、お母さんと、凄い久しぶりって話してたみたいだけど、おじさん、僕とはよく会ってたよね?どうして?」
「…まぁ、大人の都合って奴だ。」
「おじさんずるーい」
「大人はズルいものなのさ。」
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「起きろトーマ。友達が来て居るぞ」
「んっ、朝?」
「気合いが足りないんじゃ無いか?俺が入れてやる。」ビュン
「や…止めてよおじさん。昨日の所まだ痛いんだから…」プルプル
「な…俺の気合いが避けられた…だって?」
「とりあえず、玄関にビン君が来ているから行ってこい。」
「うん。」
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「よぉ、トーマ」
「おはよう。ビン君」
「…飯食ったら、公園に来い。絶対だからな!」
「うん。分かった。」
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「来たな…トーマ。」
「どうしたの?ビン君。こんな所に呼び出して?」
「昨日のはまぐれだ。出なきゃ俺がトーマなんかに負けるわけがない。」
「えっ?何のこと?」
「とぼけるな!食らえ!!」パーンチ
「(動きが見える!)止めてよ。ビン君。」サッ
「何っ!」
「えい。」パーンチ
「うっ…」
「大丈夫?ビン君?」
「ハァハァ…かかれ!お前ら!」
「えっ」
「ごめんな。ビンの頼みなんだ。」
「トーマ一人くらい俺だけで余裕だけどな」
「全く、ビンには世話を焼かされるぜ。」
「ごめん。俺はトーマには負けたくないんだ。」
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「おい、トーマ!」
んっ…なんだ…
「トーマ!起きろ!」
「…誰?」
「凶司郎ぜよ。試験でわしの攻撃の後起きないから心配したぜよ。」
…今まで、夢を見ていたのか。
凶司郎がまたおかしいのはとりあえず置いておこう。
「ここは?」
「医務室ぜよ。隣にジムも居るぜよ。」
「ジムか。そういえば、とんでもない技喰らってたっけ?生きてるの?」
「まだ眠ってるけど脈はあるぜよ。それにしても、近衛隊のガスパーの花火。何とも不思議な技だったぜよ。」
「あぁ。そうだな。何だったんだろうな。あの技」
「そうそう。もうしばらく休んだら、筆記試験に行くぜよ。後一時間位で始まるぜよ。」
「筆記?そんなの有るの?」
筆記試験の存在を知らなかった俺。当然のように勉強をしていない俺の運命は? 続く
今回は、過去の夢の話でした。
少し、と言うか、凄く分かり難くてはすみませんでした。