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天使狩人   作者: 怒牙
2/6

平和……



 恵は、母を呼んだ。理由は無い、ただ呼びたかった。近くに居たかった……。ただ、それだけだったのに……。

「お母さーーー」

 

  バコォォォン


 視界が揺らぎ、爆発音がする。泣き叫ぶ悲鳴に、物が崩れ去る音ーー。

「恵ーー!!!」

 母と父の声……。しかし、耳に入らない。代わりに白く光る大きな天使。その天使から、輝く指が母へ…そして父へ…。弟の、(こう)は見えなかった。


  ズシャ


 二本の指が、両親の腹を突き刺した音……。

「だ、誰か…助けて……」

 親は、崩れ去り散っていく…。呼び掛けには誰も答えない。その時、恵は見た! 白い光にも負けず、堂々と立つ六人の戦士を…。

 一人は刀剣を手にし、一人は槍を手にし、一人は銃を手にし、一人は杖を手にし、一人は武装し、一人は緑色を纏って……。

 剣を手にした戦士が、寄ってきた。そしてーー

「めんどくさい」

 と、言い放った。

 ありえない……ここで言う台詞じゃない……。

 ここから、恵の中では戦士が人でなしに替わった。

 突如、白い閃光ーー、音は無かった。

 目を上げると、白い手があった。母さんを刺した手……。怒りが浮かんだ。

 殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺シタイ、コロシタイ………。

 その刹那、黒いものが視界を覆った。それは、白い天使を押し退け、雄叫びを上げた。

「このガキ、連れていかねぇとな」

 銃を持った人でなしが言った。次に杖を持った人でなし。

「ボウズ、大丈夫か?」

 大丈夫……? 

 フザケルナ……。

 オマエラガイッタンダロ? 

 

  メンドクサイ


 トナ……。

 ユルサナイ……。

 オマエラモ……ユルサナイ……。

 そう思った。


  グオオオォォォォオオ


 また、黒いものが雄叫びを上げた。そしてーーーーー。


 恵は、目を覚ました。静かにではなく、苦し紛れに……。

 またあの夢か………。

 最近よくこの夢を見る。十五歳になってから頻繁に見るようになった。

 長峰恵は、中学三年だ……が、学校には行ってない。いや、行けてない。黒髪でちょっと癖毛があり、身長は173センチ、そこらへんにいる男子と比べたらかなりといいスタイルをしている恵だが、学校へは行かしてもらえない。一人だからだ。

 あの日で家族を失ったから……。そのあの日が最近、夢に出てくる。

 何かが始まろうとしているのだろうか……? 



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